×

“負けたら意味ない”岩政ゲキ弾!鹿島初白星

[ 2011年4月30日 06:00 ]

<福岡・鹿島>後半26分、決勝のヘディングシュートを決める鹿島・岩政(右端)

J1第8節 鹿島2―1福岡

(4月29日 レベスタ)
 鹿島は29日、アウェーで福岡に2―1と、逆転で今季リーグ初白星を挙げた。後半26分に日本代表DF岩政大樹(29)が左CKを頭で合わせて決勝弾。東日本大震災の復興支援活動に尽力すると同時に、ピッチで結果を出すことの重要性を説き続けてきた背番号3が、自らの一撃でチームに勝利をもたらした。
【試合結果】

 緻密さと豪快さが融合した一撃だった。1―1の後半26分、左CKのチャンス。岩政が野沢のキックに反応した。対峙(たいじ)する相手のマークを一瞬の動きで外すと、ニアサイドに走り込み頭を振った。「相手の重心や表情、距離感とかマークを外すための判断材料はたくさんある。(CKでは)いくらマークされてもチャンスをつくれる自信はある」。理数科出身の頭脳と身長1メートル87の体を生かした決勝弾だった。

 誰よりも勝利にこだわっていた。リーグ再開初戦となった23日の横浜戦に0―3で完敗。岩政は「チームはピッチ外でいろいろな活動をしているけど、試合に勝たないとむなしくなる」と、サッカーで結果を出してこその支援活動であることをチーム内に強く訴えた。東日本大震災後、小笠原を中心にチームは被災地支援に奔走してきたが、その負担でピッチ内に影響が及んでは意味がない。岩政が今季2点目でチームに今季リーグ初白星をもたらしたことで、やっと本業のサッカーでの支援ができた。小笠原も「勝たないと(支援活動をしても)逆に周りに気を使われる。勝てて良かった」と表情を緩めた。

 スタンドにはこの日、結婚記念日を迎えた岩政の両親が故郷の山口県から駆け付けていた。最新式の扇風機と掃除機を贈っていた岩政は、さらにゴールもプレゼント。日本代表のグイード・コーチも視察に訪れており、二重、三重の意味を持つゴールだった。中3日の5月3日にはACL上海申花戦(国立)が控える。岩政は「1勝することは大変だなと思った。いろいろな意味でホッとしているけど、次もあるので」と前を向いた。今季の目標は2年ぶりのリーグV奪還と初のACL制覇。被災地支援を継続した上で結果を出し続けることが、常勝鹿島の使命だ。

 ≪柴崎デビュー≫ルーキーMF柴崎が公式戦デビューを果たした。2―1の後半40分から大迫に代わり途中出場。本職のボランチではなく、4―2―3―1の左MFに入った。ピッチに立った1分後に激しいチャージで警告を受けるなど大物ぶり?を発揮。ミスなくプレーし「あまり緊張はしなかった。すんなり試合に入れたし、楽しくできた。もっと長い時間出られるように、これからも頑張りたい」と明るい表情を見せた。

続きを表示

2011年4月30日のニュース