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親友の世界王者に続け!札幌FW近藤、古巣KO誓った

[ 2011年4月29日 12:30 ]

居残りシュート練習で「必殺の左」を磨く近藤

 J2札幌のFW近藤祐介(26)が28日、親友への手土産として古巣討ちを誓った。30日に09年まで在籍したFC東京戦(味スタ)が控える中、札幌・宮の沢での紅白戦に左サイドハーフで出場した。8日に初防衛に成功したボクシングWBC世界スーパーフェザー級王者・粟生(あおう)隆寛(27)は、習志野(千葉)時代の同級生。5月には札幌で再会することになっており、親友の活躍を支えに古巣に「恩返し」する。

 ゴングを前に表情が緩んだ。待ち望んだ古巣・FC東京との対戦。昨季のJ1チーム。今季の優勝候補筆頭との対戦を前に、緊張よりも楽しみが勝った。

 「ある程度、特長とか分かっている。楽しみです。(FC東京には)“近藤は守備ができない”と思われているので、自分がどれだけ守備で頑張れるかです」

 昨季は、エースストライカーとして札幌に加入したが、満足いく結果を残せなかった。後半戦はベンチを温め、10月29日には右膝外側半月板を手術。不遇のシーズンだった。そして今季、過去の自分からの脱却を図るため、1月の米グアムキャンプでサイドハーフへの転向を直訴した。守備の不安から当初は石崎監督から「無理じゃろう」と言われたが、東日本大震災によるリーグ戦中断期間中に頭角を現しレギュラーに定着。リーグ戦再開の23日の湘南戦では指揮官から「攻守の切り替えが速かった」と称賛された。

 打倒・FC東京に燃える理由はほかにもある。習志野1年時にクラスメートだったWBC世界スーパーフェザー級王者の粟生が、来月にも札幌を訪れることになった。近藤は2年時に流経大柏に転校したが、その後も親交を深めてきた。「向こうも頑張っている。自分も負けられない」と近藤。8日の初防衛戦もテレビ観戦し、KO勝ちした粟生に電話で祝福した。「ボクシングを見ると、自分も強くなった気がする」と、親友の雄姿が心の大きな支えになっている。

 普段はチームでも1、2を争う速さで帰宅するが、この日は、居残りでシュート練習も敢行。粟生が昨年11月に、ダウン経験のなかった同時王者のビタリ・タイベルトをマットに沈めた「必殺の左カウンター」にあやかるかのように、近藤は利き足ではない左足のシュートを入念に確認した。「自分でものにしたポジション。点を取りたいし、絶対に負けたくない」。チームメートも認める強烈なシュートが武器。屈指のハード・パンチャーが、一撃で古巣を仕留める。

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2011年4月29日のニュース