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フル出場で笑顔に貢献!「不屈のカズ魂」岩手に届けた

[ 2011年4月18日 06:00 ]

<横浜FC・グルージャ盛岡>前半、先制ゴールを決めた横浜FC・難波(左)と抱き合って喜びあう三浦知

慈善試合 横浜FC2―0盛岡

(4月17日 岩手県営陸上競技場)
 岩手にもカズ魂が届いた。元日本代表FW三浦知良(44)を擁するJ2横浜FCは17日、岩手県営陸上競技場で東北社会人1部のグルージャ盛岡と30分×2本の慈善試合を行い、2―0で勝利。FWカズはフル出場し、同競技場史上最多となる1万3500人の観衆を沸かせた。東日本大震災後、被災地でプロクラブが試合を行うのは初めて。試合前には炊き出しやサッカースクールなどの支援活動も行われた。

 カズがボールに触れるだけで場内は興奮のるつぼと化した。前半6分と17分、立て続けにシュートを放つ。後半22分には代名詞のまたぎフェイントも披露した。「子供たちの笑顔が見られた。それが最高にうれしい。被災して大変な中、サッカーを見に来てくれて少しでも一緒の空間で楽しめた。凄く良かったと思う」。この瞬間、競技場全体にも笑顔が広がっていた。

 試合前には、カズ自らが先頭に立って炊き出しも行った。「今回は試合をするよりも重要な意味を持っていた」。横浜FCが大型バス12台を用意。津波被害が甚大だった沿岸地域から小、中、高校生451人を招待しカレーを振る舞った。「心の底はどうなんだろうって考えてしまう」との複雑な思いもあったが「でも子供の笑顔は救いだよ」と逆に勇気づけられた。

 中には津波でゴールをさらわれた宮古高女子サッカー部員もいた。主将の宮本弓月さん(3年)は新聞を見てこの慈善試合を知ったという。9人の部員と一緒に学校から特別許可をもらい駆けつけた。「元気をもらいました。カズさんはテレビと一緒の顔で格好いい!。来て良かった」と感激した。カズと握手し、涙を流す女子高生もいた。

 18日、カズは被害の大きい釜石、大槌町にも足を運ぶ。「また違った感情が沸くはず。その中でできることを見つけたい」。1日も早い復興を願い、不屈の魂を持つカズは走り続ける。

 

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2011年4月18日のニュース