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南米選手権 独クラブ派遣難色&FIFA介入否定

[ 2011年4月17日 06:00 ]

南米選手権参加にクラブ側が難色を示しているシャルケ・内田

 日本代表が海外組主体の編成で参加する7月の南米選手権(アルゼンチン)の選手派遣に関し、ドイツの複数クラブが難色を示していることが16日、分かった。すでに国際サッカー連盟(FIFA)に対し、選手招集の強制力が発生しないことを確認するなど、徹底抗戦の構え。また、FIFAのブラッター会長も15日付ペルー紙レプブリカ(電子版)で日本人選手の招集に介入しないことを明言した。

 やはり「超特例」は認められなかった。日本は海外組主体のチーム編成を条件として南米選手権に参加することを決定。今後、FIFAの“力”を借り、選手招集に乗り出す方針だった。だがFIFAのブラッター会長は15日付のペルー紙レプブリカで「現行法に反する決定はしない。唯一の解決法は日本への同情と連帯意識でクラブが選手を派遣するかどうかだ」と、従来の規則通り日本の選手招集には介入しない方針を明かした。

 日本は大きな後ろ盾を失った。そもそも、招待参加の日本に選手招集の強制力はなかった。そのため、東日本大震災の影響でJリーグ日程が7月に組み込まれた日本は出場辞退も検討していた。だが、日本の参加を求める南米連盟が選手招集に強制力をもたせるようFIFAに対し、特例措置を認めるよう働きかけたことで一転、出場に前進。Jリーグからも国内組の招集は原則、各クラブ若手1人、主力を除くことで出場の賛同を得たばかりだった。

 こうした動きに対し、1、2部合わせて8人もの日本人がプレーするドイツでは選手派遣に難色を示すクラブが続出。各クラブがFIFAに対し、日本人選手の招集に関する強制力の有無について問い合わせている。DF内田が所属するシャルケのヘルトGMは「7月はシーズン前のチームづくりの大事な時期で招集に応じることは難しい。われわれプロクラブはシーズンを通じて戦えるチームをつくり上げる責任がある」と断言している。

 強烈な逆風の中、日本の出場に絡む莫大(ばくだい)な放送権料、スポンサー料をあてにする南米連盟は「最後は責任を持ってクラブと交渉してもいい」と話しており、欧州クラブとの直接交渉に乗り出す方針。日本協会からも原技術委員長が欧州に飛ぶ予定だ。果たして何人の選手が集まるのか。日本協会、Jリーグは海外から最低15人がそろわなければ出場辞退を明言しており、再び目の離せない状況となってきた。

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2011年4月17日のニュース