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小笠原 ACL出発直前に“駆け込み募金”

[ 2011年4月5日 06:00 ]

 鹿島が4日、ACL1次リーグ第2戦水原戦(6日、水原)、第3戦シドニーFC戦(13日、シドニー)に向けて成田空港から韓国入りした。東日本大震災で深刻な被害を受けた岩手県出身のMF小笠原満男(32)は被災地を勇気づけるために、敵地での2連勝を約束。復興支援に奔走する司令塔が、本職のサッカーで明るい話題を提供する決意を示した。

 日本をたつ直前も被災地のために走った。鹿嶋市内での出発前の練習は約2時間に及び、終了したのは午前10時半。チームバス出発まで1時間余りしかなかったが、小笠原はシャワーを浴びると銀行に向かい、東北サッカー協会の開設した義援金口座に寄付。何とか出発時間に間に合い「時間がなかったけどダッシュで行きました。今、やらないと遠征中はできないので」と汗を拭った。

 高校時代を過ごした大船渡市と妻の実家のある陸前高田市を震災直後に訪問。5カ所の避難所を巡り「多くの方々がサッカーを楽しみにしていることを実感した」とサッカーの持つ影響力の大きさを知った。6日の水原戦は鹿島にとって震災後初の公式戦。「サッカーを楽しみにしている方々のためにも2連勝して帰ってくる」と誓った。

 東北出身Jリーガーを中心に集めた支援物資を送るなど被災地支援に奔走しているが、いよいよサッカーで貢献する時が来た。5日は32回目の誕生日だが「今は自分の誕生日どころではない」と言った。自身へのバースデープレゼントではなく、被災地に白星という希望をプレゼントすることしか頭にない。

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2011年4月5日のニュース