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CL初出場1分後“8強弾”!長友 一人じゃない

[ 2011年3月17日 06:00 ]

<インテル3-2バイエルンM>被災者への応援メッセージを書いた日の丸を掲げる長友

欧州CL1回戦第2戦 インテル・ミラノ3―2バイエルン・ミュンヘン

(3月15日)
 15日に2試合が行われ、昨季王者インテル・ミラノは敵地でバイエルン・ミュンヘンに3―2で勝利。2戦合計3―3で並んだが、アウェーゴール数で上回り準々決勝に進出した。日本代表DF長友佑都(24)は後半42分から欧州CL初出場を果たし、1分後に“決勝ゴール”が生まれた。日本人選手の8強入りは史上3人目。東日本大震災の影響で厳しい状況が続く日本に、欧州から明るい話題を届けた。
【決勝トーナメント1回戦】

 劇的勝利の余韻が残る中、長友がサポーターに向け、日の丸を掲げた。そこには「どんなに離れていても心は一つ。一人じゃない。みんながいる!みんなで乗り越えよう!」のメッセージ。東日本大震災の被害が深刻化する中で「勝敗よりも重要なことがあった。それは心を一つにして最後まで諦めない姿勢を日本の皆さんに見せること。一日中、日本のことを考えていたし、被災者の人たちのためにという思いでやった」と声を震わせた。日本に明るい話題を提供しようと必死だった。

 思いが届いた。2―2の後半42分にキブに代わり右サイドバックで途中出場。初めて欧州CLのピッチに立つと、その1分後にパンデフが決勝弾を決めた。ゴールの場面ではフリーランニングでスペースをつくったが、ロスタイムを含めて8分間の出場でボールタッチはなし。それでも「ピッチに入ってすぐに点が入ったのは神様のメッセージだと思う。日本の皆さんに対してプレゼントだと思った」と喜んだ。

 東日本大震災の被災者への弔意を示すため、試合前には1分間の黙とうが行われ「私たちは日本の皆さまと共にいます」と日本語で記された横断幕も広げられた。16日付のガゼッタ・デロ・スポルト紙は「多くの人が愛情を持って長友に拍手を送った。偶然の一致か、彼が出場した数分後に逆転。少なくとも彼は幸運をもたらした」と掲載。前半4分に先制点を決めたエトオが長友の元に駆け寄るなど、会場全体が日本復興への思いで一つになっていた。

 準々決勝では内田の所属するシャルケと対戦する可能性もある。長友は「世界中の人に日本は見守られているんだなと感じた。次も熱い試合を見せたい」と力を込めた。日の丸には「you’ll never walk alone(君はひとりじゃない)」の言葉も記した。古巣・FC東京の試合前にも合唱される応援歌だ。試合後にはその応援歌が流れ、アウェーのスタンドには大合唱がこだましていた。

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2011年3月17日のニュース