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格下にまさか…アーセナル本気布陣で屈辱の敗戦

[ 2011年3月1日 06:00 ]

イングランドリーグ杯・決勝 アーセナル1-2バーミンガム

(2月27日 ロンドン)
 イングランドリーグ杯の決勝が27日にロンドンのウェンブリー競技場で行われ、4冠の可能性があったアーセナルはバーミンガムに1―2で敗れ、優勝を逃した。1―1の後半44分に連係ミスで失点。05年FA杯を最後に無冠が続くアーセン・ベンゲル監督(61)は勝敗にこだわった選手起用で敗れ、6季ぶりのタイトル奪取に失敗した。バーミンガムは48年ぶり2度目の優勝を達成した。

 世界最強とも言われるバルセロナを破ってから11日、アーセナルがプレミア残留を争うバーミンガムに敗れた。最近4季で5勝3分けと圧倒していた格下に90分でよもやの屈辱。ベンゲル監督は「無冠の時代に終止符を打ちたかった。心底落胆している」と漏らした。

 前半39分に同点に追いつき、後半は優位な展開だっただけに痛恨の幕切れだ。延長突入寸前にゴール前にボールを入れられ、GKシュチェスニーとDFコシールーニーが互いを意識して中途半端に反応。20歳のGKが相手FWの前にボールをこぼし、決勝点を許した。

 カップ戦決勝は07年リーグ杯以来。前回もチェルシーに1―2で競り負けたが、優先順位が最も低いリーグ杯は長く若手に経験を積ませる場だった。事実、当時は先発の大半を控えで固めた。ところが5季続けて優勝から遠ざかる中、今季は指揮官が「本気で狙う。勝てば重圧を和らげ、他のタイトルに向けて自信になる」と方針を変更した。

 主軸となったセスク・ファブレガスを3季ぶりにリーグ杯で起用するなど例年にない力の入れ方で勝ち進んだ。この日はファブレガスら一部主力を欠いたが、負傷者を除けばベストの布陣。故障明けのファンペルシーを強行起用してまで勝ちにいっただけにダメージは大きい。試合後は19歳のウィルシャーが涙を流してうずくまり、更衣室も沈黙に包まれたという。

 若手の出場機会を奪った末にファンペルシーは負傷交代。主力の疲労蓄積も懸念される。ベンゲル監督は「精神力を試す絶好の機会」と前を向いたが、07年はリーグ杯決勝の敗北から11日間でFA杯、欧州CLと一気に敗退した。今回も2日にFA杯、8日にCLを控えて総崩れとなる可能性もある。決勝の前に「すべてのタイトルを狙っている」と4冠を見据えた指揮官だが、無冠返上へ試練のヤマ場を迎えた。

 ◆リーグ杯決勝VTR 07年2月25日のリーグ杯決勝は主力で固めたチェルシーに対して当時17歳のウォルコットが先制点も、相手FWドログバの2得点で逆転負け。終盤の乱闘で合計3人が退場となり、後半のロスタイム12分の乱戦を落とした。同28日のFA杯5回戦はブラックバーンに0―1で敗れ、3月7日の欧州CL決勝トーナメント1回戦第2戦はPSVと1―1で引き分け。2戦合計1―2で敗れた。

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2011年3月1日のニュース