×

後輩・宮市に刺激 “ベンゲルが絶賛した男”意識改革で開花へ

[ 2011年2月23日 12:35 ]

「チームの勝利に貢献したい」とJリーグ2年目の抱負を語った清水のFW伊藤翔

3・5開幕!J1キーマン

 フランスからの逆輸入ストライカーがついに本領を発揮しそうだ。昨年6月にグルノーブルから清水へ移籍し、今季から背番号14を背負う“和製アンリ”FW伊藤翔(22)だ。9日のJ2FC東京との練習試合で1得点1アシスト。高原と激しいポジション争いを繰り広げる中、ゴトビ新監督へのアピールに成功した。

 「後輩の活躍は最高にうれしかった」。母校・中京大中京からフェイエノールト入りし、12日のヘラクレス戦でゴールを奪った宮市の活躍に刺激を受ける。宮市は高校卒業後、いきなり欧州の主要リーグに移籍したが、伊藤はその先駆者的存在。宮市には母校に帰って練習した際、アドバイスを送っていた。

 ただ華々しいデビューを飾った宮市とは違い、伊藤は3年半プレーしたフランスで結果を残せなかった。出場試合数は1部リーグで1試合、2部リーグで4試合。得点は0。それでも「ハングリーさを学んだ。欧州の選手は意識が高い。球際の強さがまさにそれだった」と収穫を強調する。

 帰国後も苦しんだ。年間を通じて湿気が少なく、気温が低いグルノーブルとは気候が違うこともあり、昨季はコンディション調整がうまくいかなかった。出場機会が与えられない不満から、長谷川監督(当時)に起用しない理由を聞こうと詰め寄ったこともある。そうした苦い経験を積んで伊藤の意識が変わった。

 「もちろん、また海外でやりたいという気持ちもあるけど、一番は清水で結果を出すこと。チームが勝つために貢献したい」。スピードとテクニックをアーセナルのベンゲル監督も絶賛した逸材FW。チームの勝利のために眠っていた才能を開花させる。

 ◆伊藤 翔(いとう・しょう)1988年(昭63)7月24日、愛知県春日井市生まれの22歳。中京大中京から07年グルノーブル(フランス)入り。フランス1部リーグで1試合0得点。昨年6月清水に移籍。昨季成績は2試合0得点。1メートル84、74キロ。血液型はAB。利き足は右。

続きを表示

2011年2月23日のニュース