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「攻」の信念貫徹!アーセナル“世界一”初撃破

[ 2011年2月18日 06:00 ]

<アーセナル・バルセロナ>後半、同点ゴールを喜ぶアーセナルのファンペルシー(中央)とナスリ(右)。左はベンゲル監督

 欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第1試合の2試合が16日に行われ、アーセナルがホームで優勝候補バルセロナに2―1で先勝した。前半にFWリオネル・メッシ(23)のアシストで先制されたが、残り12分から2得点して逆転勝ち。アーセン・ベンゲル監督(61)は対バルセロナ戦6戦目で初勝利を挙げ、3月8日の第2戦へ弾みをつけた。シャフタル・ドネツクはアウェーでローマに3―2と逆転勝ちした。

 両チームがそろって交代枠を使った後半23分の采配が結果を象徴した。守備的なソングに代えて得点力が高いアルシャビンを入れたアーセナルに対し、バルセロナは先制点のビジャを下げて逃げ切りを図った。1点を追う中で「2点が必要。勝ちにいった。かけが失敗なら0―2か0―3で敗れる可能性もあった」と認めたベンゲル監督の執念が勝利を呼び寄せた。

 開始直後はリズムをつかんだが、細かいパスワークで守備を崩す戦いは相手が一枚上。次第にペースを握られ、前半26分にメッシのスルーパスから先制を許した。保有率39―61%、パス成功も299―629本と圧倒された。それでも最終ラインを高く保ち、コンパクトな布陣からパスをつないで逆襲に転じる攻撃への信念は捨てなかった。

 「引いて守ればやられる。スタイルを貫く必要があった」とファンペルシー。公式戦5戦7発と好調だったストライカーが、後半33分にゴール左の角度がない位置からGKのニアサイドを破る会心の同点弾を決めた。5分後にはカウンターからアルシャビンが決勝点。先発平均23・4歳の若手軍団は技術が高い一方、経験不足で勝負弱いと言われてきたが、真っ向勝負で優勝候補を下した。

 99年の初対戦から6戦目でのバルセロナ戦初勝利。06年決勝は1―2で逆転負けし、昨季準々決勝は第2戦でメッシに4得点されるなど2戦合計3―6と完敗したが、成長の跡を見せつけた。バルサ下部組織出身で強さを肌で知る司令塔セスク・ファブレガスは決勝点の起点となり「差は縮まった。大一番を戦えるほど成熟した」と笑った。

 「特別な夜になった」と喜びをかみしめたベンゲル監督は「依然として相手は世界最高だが、われわれでも倒せることが分かった」と続けた。結果とともに自信を得た。

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