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【風間&城氏が分析】キーマンは岡崎…PA内に入れば日本に分

[ 2011年1月29日 12:09 ]

韓国戦で、激しい競り合いをみせた岡崎(左)

アジア杯決勝 日本―オーストラリア

(1月29日 カタール・ドーハ)
 ザックジャパンはエース香川を負傷で欠いて強豪オーストラリアと対戦する。キューウェル、カーヒルら強力攻撃陣を擁し、今大会1失点と鉄壁の守備を誇る難敵をどう攻略すればいいのか。ともに元日本代表でスポニチ本紙評論家の風間八宏氏(49)、城彰二氏(35)が徹底的に分析する。

 風間 オーストラリアは強くて高いのが特長。日本は相手の逆を取ったり、テンポを変えたりして、ターゲットを絞らせないことが必要だ。必ずボールを取りにくる選手がいるので、その勢いを利用して裏を取ることだ。韓国戦で長友が車(チャ)ドゥリの背後を突破して前田のゴールが生まれた。あのような形をつくれれば、点は取れる。

 城 長友は調子がいいし、サイド攻撃がカギとなるのは間違いない。高さのあるオーストラリアでも、サイドからのボールへの対応は難しい。サウジアラビア戦で左クロスを岡崎が頭で決めたように、GKと最終ラインの間にどんどんボールを入れていくべきだ。

 風間 オーストラリアの守備は、ペナルティーエリアの外では強いが、エリアの中ではそれほど強くない。いかにペナルティーエリアの中に入っていくか。カタール戦で本田圭のパスが岡崎に渡って最後は香川が決めたゴールのように、体のコンタクトを避けて進入できれば、強くて高いオーストラリアのアドバンテージはなくなる。

 城 守備でも高さを警戒しなければならない。ロングボールは吉田が必ず競って、今野がカバリングし、こぼれ球を長谷部と遠藤が拾う。韓国戦ではセンターバックと川島の連係に問題があったので、修正してほしい。また、長谷部をアンカー的なポジションに置いて8割方は守備という意識で臨んでもいい。長谷部はカーヒルとマッチアップすると思うが、彼をつぶさないとオーストラリアの攻撃もつぶせない。

 風間 最終ライン、特にセンターバックがむやみに下がってはいけない。ペナルティーエリアまで下がってしまうと、カーヒルら飛び込んで仕事をする選手がいるので危険だ。怖がらずにラインを上げてコンパクトなエリアでサッカーができるかが勝負になる。あとは、カウンターに注意しなければならない。中盤で不用意にボールを奪われないことが生命線になる。

 城 DFだけではなくて前線からの守備も重要になる。いかに相手に質の高いロングボールを入れさせないか。常にプレッシャーをかけていかないといけない。

 風間 全体をコンパクトに保てれば足元の技術が高い日本が有利、広いエリアで戦ったら空中戦が得意なオーストラリアが有利という構図。五分五分の勝負だけに先制点が欲しい。

 城 先制点を決められると、守ってカウンターで追加点という相手のパターンにはまる。逆に先制できれば、相手もゴールを狙ってくるので、日本のボール回しが生きる。前半は失点しない戦い方で、後半残り15~20分で勝負を仕掛けるというゲームプランを採用してもいい。相手が疲れてきたときの方が、日本のスピードや機動力が生きるからだ。

 風間 キーマンは岡崎だ。動きで相手を崩せる選手で、今一番いいプレーをしている。彼の動きで本田圭ら他の選手も生きている。岡崎が止められるか、止められないかで勝負は決まる。

 城 僕も攻撃は岡崎に懸かっていると思う。2列目から裏を狙う動きをどんどん出していて、以前よりも周りが見えるようになった。守備では吉田が相手のロングボールをいかにはね返せるかがカギだろう。

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2011年1月29日のニュース