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代役が大役!決着は伊野波…こぼれ球をゴール!

[ 2011年1月22日 06:00 ]

<日本・カタール>後半、決勝ゴールを決めた伊野波(2)に岡崎(9)らが駆け寄る

アジア杯準々決勝 日本3―2カタール

(1月21日 カタール・ドーハ)
 苦しい戦いを劇的に締めたのは“代役”として先発したDF伊野波だった。2―2で迎えた後半44分、MF長谷部の絶妙なロングパスを受けたMF香川がペナルティーエリア内で粘り、こぼれ球を右サイドから走り込んだ伊野波が最後は左足でゲット。“脇役”が国際Aマッチ2試合目で決めた代表初ゴールが値千金の決勝点。選手たちは抱き合い、ザッケローニ監督は雄叫びを上げ、最後の最後に日本サポーターは興奮と歓喜にわいた。

 「前半から攻撃面は迷惑をかけていたので、最後に仕事ができて良かった」。先発は願ってもないチャンスだった。ザックジャパンに招集されていてもなかなか出番がなかったが、右サイドバックのレギュラーDF内田の出場停止で巡ってきた初先発。「(内田)篤人が戻ってくれば、またサブに戻る可能性があるし、次の試合に全てを出し切るつもりでやる。次やらないと意味がないでしょ。コンパクトを保ってシンプルなプレーを心掛けたい。まずは失点ゼロに抑えてチャンスがあれば、攻撃参加したい」と話して臨んでいた。

 鹿島ではセンターバックでプレーしているが、与えられたポジションは右サイドバック。ただ、スピードと多彩なキックを持ち合わせていることから、サウジアラビア戦をテレビ観戦した鹿島のチームメートMF遠藤も「あれぐらいやれると思っていた」。伊野波は「元々センターバックで、守備に入ることから意識した。でも、攻撃でミスが続いて、最後に恩返しができた。チームメートには感謝している」と話し、ザッケローニ監督に頭をなでられるとようやく笑みをこぼした。

 昨年8月にはロシアリーグのトム・トムスクからオファーが届いたが、今オフの移籍は見送った。鹿島に残留し、ザックジャパンに定着するのが目標だ。今後は代表と鹿島で活躍して、ロシアリーグではなくセリエAやブンデスリーガなど欧州4大リーグのチームに移籍する青写真を描く。カタールで結果を出した伊野波が、日本を4大会連続の4強に導くとともに夢に向かって前進した。

 ◇伊野波 雅彦(いのは・まさひこ)1985年(昭60)8月28日、宮崎県生まれの25歳。阪南大在学中の05年に世界ユース(現U―20W杯)に出場。06年に同大を休学して、FC東京入り。08年に鹿島へ移籍した。06年8月にA代表に初選出され、17日のサウジアラビア戦でAマッチ初出場。Jリーグ通算127試合2得点。1メートル79、73キロ。血液型B。

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