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カカー復活弾!それでも先発奪回へ厳しい道のり

[ 2011年1月11日 06:00 ]

<Rマドリード・ビジャレアル>後半37分、復活ゴールを決めたカカーはC・ロナウドに抱きかかえられる

 スペイン・リーガエスパニョーラ第18節の6試合が9日に行われ、左膝手術から復帰したレアル・マドリードのMFカカー(28)がビジャレアル戦で復活弾を決め、4―2の勝利に貢献した。昨年4月以来のゴールで先発奪回へ第一歩をしるした。FWクリスティアーノ・ロナウド(25)は今季4度目のハットトリックで通算22得点とし、2位のバルセロナ・メッシに4点差をつけた。

 左サイドからのボールに右足を合わせ、カカーが復活を告げるゴールを挙げた。3―2の後半37分、自陣からの高速カウンターで自ら左サイドのC・ロナウドにボールを預け、大きなストライドでスピードを生かして前線へ。左膝の不安を全く感じさせない走りでダメ押し弾につなげた。

 「長い間ゴールを決めていなかったので特別な瞬間になったよ。温かく迎えてくれたファンに感謝したいね」。カカーは感慨深げに振り返った。

 昨年8月5日の左膝半月板手術から復帰3戦目で迎えた初のホーム戦。2―2の後半25分から出場すると34分に左サイドからのクロスでC・ロナウドの3点目につなげ、3分後には貴重なダメ押し弾だ。7万7000人の観衆からハットトリックのエースに劣らない拍手と歓声を引き出した。

 FWイグアインがヘルニア手術で長期離脱しながらクラブは1月の補強に否定的。モウリーニョ監督は得点力を備えた07年バロンドール(世界最優秀選手)の戦列復帰を「補強」と捉え、復活弾に「素晴らしかった。スタジアムに喜びを与えてくれた」とほおを緩めた。

 もっとも喜んでばかりもいられない。離脱中にW杯南アフリカ大会でブレークし、今季から加入したドイツ代表エジルがトップ下に定着。この日は2―2から局面打開を図って前線に人数を割く布陣で共存したが、4―2―3―1の基本布陣ではどちらかが外れる。現状では緩急自在のパスさばきで攻撃に変化をつけられるエジルが一歩リードしており、カカー自ら「チームが絶好調なので自分でポジションを奪わなければ…」と漏らす。

 09年夏に6700万ユーロ(当時約91億円)でACミランから加入も、故障続きで貢献度は決して高くない。放出の可能性を指摘する報道も後を絶たず、ここからが正念場。勝ち点2差で首位バルセロナを追う激しい優勝争いの中、カカーも生き残りを懸けた戦いに挑む。

 ≪左膝、股関節…故障続き≫カカーはACミラン在籍時の08年5月23日に左膝を手術。Rマドリード移籍1年目となった昨季は慢性的な股関節痛に悩み、リーグ最終戦は太腿裏負傷で欠場した。8強に終わったW杯南アフリカ大会後にブラジル代表のドクターが故障を抱えたままの強行出場だったことを明かし、8月に左膝を手術したマルテンス医師も「耐えられないほどの痛みでキャリアが危ない状況だった」と証言。選手生命を危険にさらしながらW杯に出場していたことを認めた。

 <C・ロナ今季4度目ハット>C・ロナウドが3ゴールと、カカーへのアシストでチームの全4得点を生み出した。2度の同点弾の後、後半34分には混戦から決勝点。今季4度目のハットトリックで通算22得点とし、得点王レースでも2位のメッシに4点差をつけた。チームは首位バルセロナを勝ち点差2で追う状況。移籍後、リーグ戦47試合48得点のエースは「レアルがタイトルを獲得するために今後もゴールで助けたい」と力強く語った。

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2011年1月11日のニュース