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ザック監督弱気?会見…実は短期決戦が苦手

[ 2011年1月9日 06:00 ]

<アジア杯日本代表>初戦への意気込みを語るザッケローニ監督だが、弱気な一面も…

アジア杯1次リーグ・ヨルダン戦

(1月9日 カタール・ドーハ)
 初の公式戦に臨む日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がアジア杯で不名誉なレッテルを返上する。過去、ACミランなどで3度出場した欧州チャンピオンズリーグ(CL)ではすべて1次リーグで敗退し、短期決戦で結果を残せていない。公式会見でも不安を隠しきれなかったがまずはヨルダンを撃破して鬼門突破につなげ、アジア制覇を目指す。

 強気と弱気が何度も交錯した。試合前日の公式会見。海外メディアを含めた約150人の報道陣が集結する中、昨年8月末の就任以来初の公式戦に臨むザッケローニ監督は、イタリアでビッグクラブを率いた名将としてのプライドをのぞかせた。その一方で、結果を出せなかったときの予防線を張るかのような弱気な発言も口を突いた。

 「アジア杯に向けた強化試合は(昨年10月の)わずか2試合。その後に集まることはできなかった」と準備が思うように進められなかったことを強調。コンディションにばらつきのあるメンバーについては「天皇杯組は疲れが見えるし、12月上旬にリーグ戦を終えたメンバーはベストにない。しっくりこない招集だった」とコメント。「そのことで大会前に予定したテストマッチも組めなかった」と漏らした。

 過去に代表監督の経験がないザッケローニ監督だが、クラブ監督として欧州カップ戦に3度出場している。だが、99~00年シーズンのACミラン、01~02年シーズンのラツィオ、03~04年シーズンのインテル・ミラノで出場した欧州CLでは、いずれも格下相手に足をすくわれており、短期決戦に弱いデータがある。

 苦い過去があるからなのか、最強メンバーで臨むことに最後までこだわった。香川らの欧州組のクラブは難色を示すところも多かったが、代表が優先権を持つ大陸選手権でクラブ側に拘束力がなかったとはいえ、半ば強行で招集に踏み切った。長友が所属するチェゼーナのロレンツォ・ミノッティ強化部長には「アジア杯に優勝したらコンフェデ杯に行ける。3位以内に入れば次のアジア杯の予選が免除され、そこに欧州の強豪と強化試合が組める。長友は不可欠な戦力」と電話で力説した。

 16強入りしたW杯南アフリカ大会後の初の公式戦。周囲の期待はやはり優勝となる。大きなプレッシャーがかかることになるが、指揮官は「プレッシャーはない。1次リーグ敗退は許されない」ときっぱりと話した。

 明確な目標を迫る執ような報道陣の質問に「言うはやすし行うは難し」と最後は格言でかわした。欧州では「過去の指揮官」との評判もある中、まずはアジア杯でどのような手腕を見せるのか。采配に注目が集まる。

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2011年1月9日のニュース