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GK下出、敗退の窮地救う 大一番の起用に応え決勝へ

[ 2011年1月8日 20:15 ]

全国高校サッカー選手権準決勝

(1月8日
東京・国立競技場)
 【滝川二0―0(PK7―6)立正大淞南】決勝進出か敗退か。運命を分けるPK戦でも、滝川二のGK下出の心は躍っていた。「ヨッシャと思っていた。勝てて素直にうれしい」。チームを初の決勝進出に導き、満足げに胸を張った。

 9人目までもつれたPK戦。相手の1人目はポストに当てたが、下出が蹴る前に動いたとしてやり直しに。それでも「萎縮はなかった。1本止めればいい」と集中した。

 5―5の7人目には大ピンチ。先蹴りの滝川二は外し、決められれば敗退の場面だったが「止めたら格好いい。負ける気はしなかった。映像で研究してコースは当たっていた」と、右側に来たキックをセーブして窮地を救った。

 最近3試合は同じ3年生の中尾が先発で、1回戦以来の出番だった。栫監督は少し調子が落ちていると見ていたが「力の差はないし、シュートストップは上」と大一番で起用した。下出も「久々だしやってやろう」と燃え、期待に応えた。

 GKコーチはいない。下級生を引っ張ってきた下出と中尾の間には、強い絆がある。次は決勝戦。「出たい気持ちはあるが、出られなくても中尾を信頼している。全員一丸でやれば負けない」と力強く頂点を見据えた。

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2011年1月8日のニュース