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英紙「八百長」!投票は「仕組まれていた」

[ 2010年12月4日 06:00 ]

3日付の英紙には「八百長」の見出しが

 惨敗の英メディアが猛反発した。W杯開催地を決める2日のFIFA理事会で18年大会はロシア、22年大会はカタールに決まったが、18年大会招致に失敗したイングランドではメディアの怒りの反応が渦巻いた。FIFA関係者の不正告発報道に拍車がかかる可能性が出てきた。日本は22年大会に立候補しながら2回目の投票で落選。日本協会の小倉純二会長(72)は34年大会へ出馬の意向を表明した。

 イングランドの招致失敗から一夜明けた3日、英紙サンは「FIXED(八百長)」の見出しを掲げた。投票1日前の段階でロシア招致委員会のソロキン最高幹部がイングランド関係者に“勝利宣言”をしていたと伝え「ソロキンは十分な票を確保していることを知っていた」という関係者の話を掲載。投票が「仕組まれていた」と報じた。
 調査報告書で高い評価を受け、収益力調査でも最下位ロシアの86%を圧倒する100%の評価を得たイングランド。英メディアによるFIFA理事への告発報道で苦戦を予想する声はあったが、ベッカムらのロビー活動で投票当日には形勢逆転を伝える報道が相次ぎ、国民の間で招致への期待が大きく膨らんでいた。
 そんな状況で理事22人のうち自国理事を含め2人の票しか得られず1回目の投票で惨敗した。招致委のアンソン最高幹部はFIFA関係者から告発報道の影響があったことを伝えられ、さらに衝撃の情報を入手した。投票直前にブラッター会長が投票権を持つ理事全員の前で「メディアの害悪」を強調したというのだ。
 失意の招致委トップは「そんな発言は助けにならないし誤り。6~8票は確保したと思っていた。誰とは言わないが、目を見て協力を約束したのにウソをついた」と告白。さらに2大会の開催地を同時に決める方式が票の裏取引を容易にし、投票権を持つ少人数の理事が強い影響力を発揮する現状の問題点に触れて「方法を見直すべき」と訴えた。
 調査報告書で高いリスクを指摘されていたロシアとカタールが不透明な展開で招致を果たしたことに、デーリー・ミラー紙も「W杯が売られた」と反発。現地取材したBBCのピアース記者はツイッターで「FIFAが英メディアにひどい目に遭わされたと思っているのなら甘い。彼らはまだ分かっていない」とさらなる疑惑告発に意欲を示した。サッカーの母国とFIFAの間に生じた感情的な対立は今後も尾を引くことになりそうだ。

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2010年12月4日のニュース