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ぶれないストイコビッチ監督 3年目で戦術浸透 新戦力も融合

[ 2010年11月20日 17:05 ]

湘南―名古屋 後半21分、ヘディングで決勝ゴールを決める名古屋・玉田

 【名古屋1―0湘南】ストイコビッチ監督が就任当初から掲げた攻撃的なスタイルがついに結実した。「アグレッシブで美しいサッカー」を貫き、頂点に上り詰めた。

 攻撃の柱となる3トップの中央は身長194センチのケネディ。両サイドに入る玉田らがポジションを変えながら流動的に動いて好機を演出、勝負どころでは闘莉王を前線に上げる積極策も打った。
 ストイコビッチ監督の戦術観を象徴する言葉がある。「インテル・ミラノ―ユベントスより、ウィガン―サンダーランドの方が面白い」。守備を軸としたイタリア1部リーグ(セリエA)上位チームの対戦より、速い展開でゴールに迫るイングランド・プレミアリーグの試合を好む。
 就任1年目の2008年は下位チームに勝ちきれず3位。飛躍を期した09年は、エースFWダビがシーズン途中で中東のクラブに移籍するなど、メンバーを固定できずに9位。それでも攻撃重視の軸はぶれなかった。
 クラブの歴代監督で最長の就任3年目で、選手との相互理解も深まった。「やりたいサッカーは分かっている」と玉田。田中隼も「やることは変わらない。結果が出るから、疑問にも思わない」と全幅の信頼を寄せる。
 今季はそこに闘莉王、金崎ら新たな力が加わった。クラブ生え抜きで10年目の中村は「新加入した選手はいい変化をもたらしてくれた」と言う。戦術の浸透に、強力なタレントが融合しての戴冠だった。

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2010年11月20日のニュース