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“ファンタジスタ”本田!華麗ヒールに「天才的」

[ 2010年10月23日 06:00 ]

後半ゴール前に攻め上がる本田(中央)

 欧州リーグのグループリーグは24試合が21日に行われ、F組のCSKAモスクワは敵地でパレルモに3-0で快勝。ボランチで先発フル出場した日本代表MF本田圭佑(24)は華麗なヒールパスでチーム2点目をアシストするなど3連勝に貢献した。

 “ゴールハンター”を自任する本田が“ファンタジスタ”としての一面を披露した。1-0で迎えた後半14分、あざやかなヒールパスでドゥンビアのゴールを演出。ペナルティーエリアの左に走り込んで前方からのこぼれ球を拾うと、右足トラップで相手選手から遠い左側にボールを置いた。サイドに流れると見せかけて相手2人を引きつけ、そのわずかなすき間に左かかとでスルーパスを通した。体は左タッチラインを向きながら、右前方にボールを出すというロナウジーニョ(ACミラン)ばりのノールックパス。“剛”のブレ球FKとは対照的な“柔”のアシストだった。
 試合後は恒例となってきたノーコメントのまま足早に会場を後にした。不本意なボランチでフル出場したことに対する不満の表れなのか。スルツキ監督からは「ホンダの技術は良かった。正確なパスと戦術眼でゲームを組み立ててくれて満足している。4-4-2の中央が彼にとっては適正のポジションだ」とあらためてボランチとして高く評価された。22日付のパレルモの地元紙ジョルナーレ・ディ・シチリアには「ヒールパスは天才的だった。中盤の交通整理役を任されていたがプレーには明快なアイデアがあった。実戦的でインテリジェント」と司令塔として絶賛された。
 公式戦18試合ぶりのゴールとなった17日のテレク・グロズヌイ戦に続く公式戦2戦連発はならなかったが、前半34分には中央から左に展開して先制点の起点にもなった。ゲームメーカーとして活躍すればするほど希望する攻撃的なポジションから遠ざかるという“矛盾”を抱えながら欧州リーグ3連勝に貢献。ロシアを去る日まで、本田のジレンマは続くのかもしれない。

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2010年10月23日のニュース