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日本のエース証明!本田“俊輔超え”8強弾

[ 2010年3月18日 06:00 ]

<セビリア・CSKAモスクワ>後半10分、勝ち越しゴールを決めてガッツポーズの本田圭佑

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、日本代表MF本田圭佑(23)がCSKAモスクワ(ロシア)をベスト8に導く決勝弾を決めた。16日の決勝トーナメント1回戦第2戦でセビリア(スペイン)と敵地で対戦。前半39分に先制点をアシストすると、同点で迎えた後半10分にはFKで決勝点を挙げ、2戦合計3―2での8強入りに貢献した。日本人選手の決勝トーナメントでの得点と欧州CL8強入りは初の快挙。6月のW杯南アフリカ大会へ向け、日本の新エースであることを強烈にアピールした。

 異端児扱いされてきた金髪の若者が、日本の新たな王様に名乗りを上げた。長く欧州でプレーしてきた中村俊輔(現横浜)もできなかった、日本人選手初の欧州CL8強入り。テレビカメラに向かっての投げキスで自らの存在を世界にアピールした本田は「サッカーに不可能はないことを示せたと思う」と胸を張った。

 最初の見せ場は前半39分だった。「つなげば何か起こる」と左足アウトサイドでのパスでFWネチドのゴールを先制アシスト。1―1で迎えた後半10分にはゴール正面から右、約30メートルの位置で得たFKを得意の左足で直接ネットに叩き込んだ。相手GKがパンチングしようとした両手をはじき飛ばしての決勝ゴール。「はじいた場所が、僕が幸せになる場所でしたね」と笑った。

 常に上を目指しているからこそ、たどり着いたベスト8だ。「もう一個上に行きたいという感覚でなければ、たぶんきょうはこういう結果になっていなかったと思う。これに勝ってもまだベスト8なんだと、そういう気持ちで臨んだ」。日本代表入り、海外移籍、欧州CL出場、そして大舞台でのベスト8入り。着々と階段を上ってきたが、どれも本田にとっては通過点の1つにすぎない。

 ロシアリーグデビュー戦となった12日のアムカル・ペルミ戦でも決勝ゴールを決めており、公式戦2戦連発。だが、本人は「ゴール・イズ・ゴールですよね」と至って冷静で「オレは日本初とかいうのは興味ない。自分が目指しているのは、はるか先なのでね。メディアの人は最近クローズアップしてくれているのかもしれないけど、オレとしては今さらって感じ」とまで言ってのけた。

 それでも、一夜明けた17日のスペイン各紙はすべて本田に最高点をつけて絶賛。アス紙は「神風ホンダが左足のキャノン砲で、CSKAモスクワが彼の獲得に支払った1200万ユーロ(約15億円、金額の真偽は不明)の移籍金の価値を証明した」と表現した。もちろん、W杯4強を目指す日本代表にとっても本田の活躍は心強い。世界最高峰の舞台での有言実行ぶりに加え、準々決勝以降も強敵と戦うことでレベルアップが期待できる。CSKAモスクワを17季ぶりのCLベスト8に導き、同時に日本の新エースであることも証明した本田の左足。そこには無限の可能性が詰まっている。

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2010年3月18日のニュース