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腰痛に耐え…碓井「鳥肌立った」決勝弾

[ 2010年1月12日 06:00 ]

<山梨学院大付・青森山田>前半11分、山梨学院大付MF碓井が先制ゴールを決める

 【全国高校サッカー 山梨学院大付1―0青森山田】優勝旗を高々と掲げるMF碓井主将の表情は誇らしげだった。「新チームを立ち上げたときに初出場初優勝という目標を掲げた。主将としてこういう形で勝てたのはうれしかった。横森監督を胴上げできて良かったです。最高の日になった」。金メダルを首にかけられると目を潤ませた。

 自身大会通算4点目がチームを初優勝に導く殊勲弾となった。前半11分、ペナルティーエリア左でMF鈴木からのパスを受けると右足で豪快にシュート。ボールは相手GKが伸ばした手のわずかに上を通過して逆サイドのネットへ突き刺さった。「鳥肌が立った」と振り返る鮮やかなゴールで流れを引き寄せた。

 大会2週間前に疲労性の腰痛を発症。出場も危ぶまれるほどの痛みが走った。大会中も痛みが治まることはなかったが、超音波治療を受けて、痛み止めを服用して全6試合にフル出場しチームをけん引し続けた。

 FC東京の下部組織時代に山梨学院大付と練習試合をした際のプレーが認められ横森監督にスカウトされた碓井をはじめJクラブの下部組織出身者が決勝のベンチ入り20人中8人。県外出身者は20人中17人を占めるが、主将を中心に結束は固かった。

 チーム全体での組織的な守備も光った。碓井とボランチを組む宮本を中心に積極的にプレスをかけて青森山田が誇るパスサッカーを分断し5試合連続無失点。GK松田は「(シュートの)コースを限定させて枠に行かせないようにした。前線から守備をしてくれたおかげ」と胸を張った。

 12日には地元・甲府市に凱旋。山梨県庁から学校まで約3・5キロを優勝パレードを行う予定だ。さわやかな旋風を巻き起こしたイレブンが、最高の手土産を持って夢舞台を後にした。

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2010年1月12日のニュース