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“札幌・ゴン”年俸750万円で再出発

[ 2009年12月24日 06:00 ]

 札幌のゴンが誕生した。J2札幌は23日、磐田から戦力外通告を受けた元日本代表FWの中山雅史(42)を獲得したと発表した。現役続行を希望した中山をめぐっては6クラブが争奪戦を繰り広げた。一時はJ2横浜FC入りが秒読みとみられたが、中山は医療施設が充実している札幌を新天地に選んだ。中山は24日に札幌市内で入団記者会見を行う。

 決断したのは深夜だった。中山は日付が変わった23日午前1時すぎ、代理人に「札幌に行く」と伝えた。この日午前、札幌と熊本に連絡を入れた。夕方には札幌が獲得を発表し、中山は磐田を通じて「札幌では磐田で成長させてもらった魂を胸に、ピッチで走りたいと思います」とコメントした。

 決め手は環境面の充実だった。当初は横浜FCが本命視された。中山自身も三浦知との2トップ誕生を希望していたが、設備面などがネックとなって破談。中山は移籍先を札幌と熊本に絞りこんだ。熊本には磐田で通算11年間一緒にプレーした元日本代表MF藤田が在籍。かつての名コンビで全盛期のパフォーマンスを取り戻すという青写真があった。また熊本は推定年俸1500万円の複数年契約を提示しており、札幌の推定年俸750万円の単年契約に比べて条件面でも魅力的だった。

 それでも札幌を選んだ。中山は恥骨結合炎など何度も負傷を克服しており、磐田では練習の前後に約2時間ずつ入念にマッサージを行うなど体の手入れには時間をかけてきた。40歳を超えた中山にとって医療面の充実は、移籍先選定の大きなポイントだった。その点、札幌は今季トレーナーを1人から3人に増員し、北大病院との連携を密にするなど医療面に力を入れており、申し分なかった。年俸は今季の2200万円から大幅ダウンするが、大きな問題ではなかった。

 J1史上最多の157得点を挙げたストライカーを迎える札幌は磐田時代と同じ背番号9を用意した。慣れ親しんだ背番号で中山はまずJ2初ゴールを狙う。

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2009年12月24日のニュース