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俊輔獲り頓挫で横浜“空中分解”の危機!

[ 2009年6月13日 06:00 ]

横浜・木村浩吉監督

 横浜の木村浩吉監督(47)が12日、クラブに対する不満を爆発させた。合意間近だったセルティックの日本代表MF中村俊輔(30)の獲得交渉が暗礁に乗り上げ、エスパニョール移籍が決定的となったことを受け、フロントの交渉での不手際に対する怒りをあらわにした。中村獲得でリーグ13位からの巻き返しを期していたが、一転、クラブは“空中分解”しかねない状況に陥った。

 声は震えていた。中村獲得の可能性が極めて低くなったことを受け、木村監督は交渉の最終局面で失態を演じたフロントに対する不信感を露骨に口にした。
 「オレは最後まで来てくれると信じている。でも、これで来なかったら怒るよ。交渉の途中経過を中途半端に聞くと怒りがこみ上げてくるから、交渉は(フロントに)任せるけど。獲得はうちだけじゃなくて、日本のため。それは分かっているはず」
 指揮官は08年1月から7月までチーム統括部長を務め、中村の獲得交渉を進めた中心的存在。08年4月には斉藤社長とスコットランドを訪れるなど尽力してきただけに、黙っていられなかった。横浜関係者は「今まで1年以上もかけて行ってきた交渉を振り出しに戻すような発言を社長がしてしまった」と説明。何度も話し合いを重ねてきた条件面の一部に対して、斎藤社長が合意直前で難色を示したことが、交渉が決裂に向かう要因になったとみられる。
 斉藤社長はこの日午後、クラブハウスに集まった約20人の報道陣に対応。「いろいろやりくりして、こちらの思い、条件は精いっぱいのところをお伝えしている。残念ながら返事は来週半ば以降まで待たないといけない」と話した。中村獲得失敗による損失は大きく、斉藤社長の責任問題に発展する可能性もある。
 クラブはリーグ戦が再開する21日の浦和戦以降の営業戦略に関し、中村を軸に練ってきただけに混乱は必至。すでにスポンサー企業などに対する謝罪回りの準備も進めている。現場サイドとフロントとの間に溝が生じるのは決定的な状況。横浜が中村獲得失敗に加え、大きな火ダネを抱えてリーグ再開を迎えることになりそうだ。

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2009年6月13日のニュース