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李忠成 顔面骨折も“バットマン”で強行出場

[ 2009年5月8日 06:00 ]

5日の浦和戦で右目を腫らしながらプレーした柏FW李忠成

 柏のFW李忠成(23)が山形戦(2日)で強打した顔面の精密検査を受けた結果、7日に右上顎骨(じょうがくこつ)と右頬骨(きょうこつ)の骨折で全治約6週間と診断された。しかし、高橋真一郎監督(51)は、ドクターストップがかかった李を10日のG大阪戦(万博)でベンチ入りさせる方針を明言。李本人も強行出場を直訴し、今季16位に沈むチームを気迫でけん引する覚悟を示した。

 16位に低迷するチーム状況を考えれば、若きエースに「休む」という選択肢はなかった。右目は骨折の影響で赤く充血し、右ほおも腫れ上がっている。それでも今季10試合で1得点と不振にあえぐ李は「痛み?顔がピリピリする感じ。でも(G大阪戦は)問題ないです」と力強く言い放った。

 高橋監督も「ドクターストップがかかっているけど、どうしても必要だから(大阪遠征に)連れていく。気迫もあるしね」とベンチ入りさせる方針を明言。得点は少なくても前線で献身的に動き回ってチームの攻撃の中心となっているだけに、欠かせない存在であることを強調した。

 2日の山形戦でクロスボールに飛び込んだ際、競った相手DFの足が顔面を直撃。中2日の過密日程で、山形からの長距離移動も重なったため都内の病院で精密検査を受けたのはフル出場を果たした5日の浦和戦後だった。チームのメディカルスタッフも「本当は悪化させないためにも試合には出ない方がいいんですが…」と話しながらも、最終的にはフェースガードの着用を条件に試合出場を許可。李も午前中に軽めのランニングで練習を切り上げると、午後には都内の病院へ直行してフェースガードの型取りを行った。

 李が強行出場を直訴したのは、指揮官の期待にゴールで応えられていないから。高橋監督は不振の李をそれでも「チュンソン(李)は多少悪くても我慢して使う」と全10試合に先発起用。絶大な信頼を寄せられているだけに、李も「早く真さん(高橋監督)の期待に応えたい」と自身のゴールで勝利をプレゼントしたい考えだ。熱いハートを持つ“バットマン李”が、指揮官への恩返し弾を決めて不振脱出へのきっかけをつかめるかどうか。

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2009年5月8日のニュース