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大迫出せない!鹿島が高校選抜招集に待った

[ 2009年3月21日 06:00 ]

サッカーバレーで、ライン際のボールに飛び込む大迫勇也

 鹿島の新人FW大迫勇也(18)が4月に欧州遠征を行う日本高校選抜入りを辞退する可能性が出てきた。大迫の遠征参加はすでに内定していたが、オズワルド・オリヴェイラ監督(58)が大迫をチームに残留させるようクラブ側に要請。これを受け、クラブ幹部が週明けの23日に高体連側と話し合いを持つことになった。22日の広島戦でJ先発デビューする大迫をめぐるドタバタ劇の結末やいかに。

 大迫の高校選抜招集に、オリヴェイラ監督が“待った”をかけた。この日、クラブ幹部が4月1日から15日までの欧州遠征に大迫が参加する予定であることを伝えると、指揮官は「こんないい時期に(大迫を)持っていかれるのは困る。今は鹿島で育てた方がいい」と反対。4月4日の京都戦に出場してからの途中合流も模索していた鹿島側だが、週明けの23日に高体連側と会談を持ち、高校選抜を辞退する方向で調整していくことになった。

 1月の高校選手権で1大会最多記録となる10得点を挙げて得点王になった大迫は、今回の高校選抜の目玉選手。選手権終了後、高体連側は招集する旨を伝え、鹿島側も快諾していた。遠征で出場するデュッセルドルフ国際ユース大会にチェルシーなど欧州強豪のユースチームが参加することから「大迫が成長する機会になる」(クラブ幹部)との狙いも快諾の理由だった。

 だが、クラブ幹部の予想をはるかに超えるスピードで大迫が成長。公式戦5試合で3試合に出場し、初めて先発出場した18日のACL上海申花戦ではいきなり公式戦初ゴールを決めた。18歳のルーキーが今や完全に鹿島の欠かせない戦力となっている。高校選抜の欧州遠征に参加すれば、少なくともJリーグ2試合、ACL1試合を欠場することになる。鹿島にとって、その“流出”は大きな痛手というわけだ。

 この日、FIFAが12年ロンドン五輪から男子サッカーの参加規定を21歳以下とする改正案をまとめ、大迫はロンドンに出場できない可能性が出てきた。それでも「(五輪には)もちろん出たいですけど。でも今は鹿島です」と話した。22日の広島戦では公式戦2試合連続で先発出場することが決定的。鹿島でのプレーだけに集中して、大迫がJリーグ先発デビューを果たす。

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2009年3月21日のニュース