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監督辞めさせない!浦和逆境で一つになった

[ 2008年10月22日 06:00 ]

ウオーミングアップする闘莉王(左)と坪井

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)2連覇を目指す浦和は22日、準決勝第2戦でG大阪をホームに迎え撃つ。現在、公式戦5戦未勝利と苦しむチームはJ1では優勝争いから後退。ACLでも敗退となれば、エンゲルス監督(51)の去就問題に発展することは必至だ。試合前日はピリピリムードが漂っていたが、選手たちは一丸となって連覇への夢をつなぎ、不穏な空気を吹き飛ばすことを誓った。

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 浦和が正真正銘、運命の一戦を迎える。前日の公式会見に、発言力ある闘莉王が初めて出席した事実が、決戦への意気込みを物語った。練習後にも選手を代表し「ゲルトさん(エンゲルス監督)はゲルトさんなりに頑張ってる。大変な仕事を引き受けてやってる。苦しい時期は一丸で乗り越えたい」と熱く訴えた。誰もが、危機的状況を感じている。だからこそ不穏な空気は、勝利で吹き飛ばすしかない。

 公式戦は現在5戦連続未勝利と、チームはどん底。J1でのV奪回は苦しくなり、ACL連覇の夢までついえれば、今後、エンゲルス監督の進退問題は避けられない。監督人事の責任者でもある藤口社長は終始表情が硬く、報道陣の質問をさえぎると「あすの試合に集中するだけ」と呪(じゅ)文のように連呼。危機感を感じさせた。

 だが、この状況が王者のプライドに火をつけた。3日前の練習場に指揮官を中傷する横断幕が掲げられると、選手は自主的にミーティングを開き、一致団結を確認。チームリーダーの岡野が「ガンバに勝つことが一番。次につなげられる」と言えば、主将の山田も「明らかに雰囲気が変わった」と、空気の変化を感じ取っていた。

 運命の準決勝第2戦は0―0か、勝利なら無条件で突破。2―2以上の引き分けは敗退、1―1なら延長、PK戦が待つ。“土俵際”のエンゲルス監督は「0―0は難しい。勝ちにいく」と前を向き、闘莉王は「あすは特別な大会。本当の優勝チームというのを見せたい」とチーム全体を鼓舞した。浦和が監督の去就問題を吹き飛ばした時、2年連続のアジア王座が見えてくる。

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2008年10月22日のニュース