×

闘莉王で再奪首!トップ下でハット決めた

[ 2008年7月18日 06:00 ]

<浦和・東京V>後半13分、3点目のゴールを決めた浦和・闘莉王はサポーターの前で大喜び

 闘莉王がハットトリック!浦和は17日のJ1第17節最終日、ホームで東京V戦に3―2で逆転勝ちした。トップ下で今季2度目の先発となったDF田中マルクス闘莉王(27)はプロ初の1試合3得点を決める活躍で勝利に貢献。通算得点を9に伸ばし、得点ランク3位に浮上した。04年以降6連勝中の「お得意さま」東京Vを下し、ライバル鹿島から首位の座を奪い返した。

【J1試合結果


 ピッチにひざまずき、神に感謝した。この日の闘莉王はまさに神がかっていた。2―2の後半13分。圧倒的な高さを誇るヘディング弾がゴールを襲う。ボールは混乱した相手DFの体に当たりゴールに消えた。「初めてじゃないかな。記憶にないよ」。プロ初のハットトリック達成に誰より本人が驚いていた。耳をつんざく大歓声が響いた。

 「27歳になっていろんな初体験があるな。FWもトップ下もそう。でも心に決めているのはすべて全力でやること」。圧巻のゴールショーを振り返った闘莉王はしみじみと語った。前半23分の1点目もCKから。厳しい相手マークにあいながらうまくかいくぐり、低弾道の技あり弾を決めた。もはや、この男を止めるのは不可能だった。

 最も場内がどよめいたのは前半36分。闘莉王はPKに名乗りを上げた。「札幌のことがある。冷や冷やしたでしょ?オレもドキドキした」。PKは06年11月アジア杯予選サウジアラビア戦以来。自身で志願しながら痛恨のミスキックを犯した苦い記憶が脳裏をよぎった。だが引き下がらない。日本代表でPK職人の遠藤(G大阪)から盗んだ、ゆっくりとした助走からゴール左へ突き刺した。

 勝利の女神にささげる3得点でもあった。東京V戦にはブラジルで暮らす母マデルリさんが今季初観戦していた。「お母さんが来るとゴールできる」と闘莉王。その言葉にうそはない。05年11月の東京V戦、07年6月の神戸戦に続くゴールだった。通算9得点は日本人首位。得点王争いでも一気に3位に浮上した。

 後半33分、闘莉王に下された交代指令が壮絶な戦いを物語る。試合後、闘莉王は「ふくらはぎがピキッときて試合できる状態ではなかった」。日本代表との掛け持ちで5キロも体重の落ちた肉体は極限状態だ。次節の川崎F戦は阿部、堀之内、細貝ら守備陣が出場停止となる。「オレが(DFに)戻るんじゃない?」と闘莉王。それでも闘将はピッチに立つ。首位を奪取した赤い悪魔をけん引する。

続きを表示

2008年7月18日のニュース