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森本に代えられる…李 勘違いのV弾

[ 2008年5月22日 06:00 ]

<日本・オランダ>後半20分、ゴールを決めた李は、水野(左)らに祝福され“どうだ!”

 トゥーロン国際大会に出場中のU―23日本代表は20日、マイヨール競技場でU―23オランダ代表と対戦し、1―0で競り勝った。後半20分にFW李忠成(22=柏)が左足で決勝弾。相手は21歳以下の選手が中心の2軍だったが、北京五輪1次リーグ同組で8月13日に対戦するライバルとの“前哨戦”を制した。22日にはU―23フランス代表と対戦する。

 視界にはピッチ脇で交代を待つ森本の姿が入っていた。自分が代えられると勘違いした李は「早くゴールを決めないとヤバイ」と危機感を抱いてボールを追った。直後の後半20分、GK西川からのロングキックに反応。処理をもたつく相手DFからボールを奪うと、左足アウトサイドでゴール右隅に突き刺した。両拳を突き上げて喜びを爆発させると、森本と梶山の交代が告げられていた。

 反町ジャパンでのゴールは2得点した11月17日のベトナム戦以来、3試合ぶり。自身初の欧州勢との対戦で勝負強さを見せた。Jリーグでは審判に対する侮辱行為で4試合の出場停止処分を受け、17日の鹿島戦で復帰したばかり。1カ月近く実戦から離れたが「最初はショックだったけど、有意義な時間を過ごせた。トゥーロン国際大会という目標があったのでモチベーションを保てた」と連日、居残りシュート練習を敢行。目標を1本に絞り、この試合に懸けてきた。

 今遠征にはFWの森本とエスクデロが初招集。本大会のオーバーエージ(OA)候補にも高原、巻、前田、大久保、矢野と5人もFWがリストアップされており、結果を残す必要があった。しかも、北京五輪1次リーグで同組となるオランダは21歳以下の選手が中心の明らかな2軍。発奮材料には事欠かなかった。

 「結果を出し続けて成長していけば、OAが来ようと他のFWが来ようと、勝ち残れる自信はある」。五輪出場を目指して07年2月に日本国籍を取得。北京五輪でゴールを決めてカズダンスを披露するプランを温めているストライカーが、し烈なサバイバルレースで頭1つ抜け出した。

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2008年5月22日のニュース