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折尾愛真短大女子硬式野球部

 【夢の全国制覇へプレーボール】

 新たな歴史の第一歩を力強く踏み出した。今年4月、福岡県北九州市の折尾愛真短大に「女子硬式野球部」が誕生した。九州と山口では4年制も含めて初めての学生チームで、全国で8チーム目となる。1期生12人は19、20日に「全国大学女子硬式野球選手権 高知大会」に初出場した。公式戦初勝利はお預けとなったものの、経験を今後に生かす。

取材日は9人だったが、元気に12人で活動中!夢の全国制覇へ第一歩を踏み出した折尾愛真短大の女子硬式野球部

 プロ野球阪神のキャンプ地として有名な高知県の安芸市営球場。ここで開催された高知大会で1勝すれば、全日本選手権の出場権を得られた。だがトーナメント初戦で至学館大に2―9、続く順位決定戦も環太平洋大に0―7で夢破れた。創部から、まだ1カ月半。一般企業でサラリーマン経験もある磯部貴一郎監督(46)は「初戦で勝てれば良かったんですけど、これが実力。部としてスタートできて良かったと思いたい」と初めての公式戦を振り返った。

 15年4月に折尾愛真高に女子硬式野球部が誕生。大学進学しても“九州で野球を続けたい”という選手の受け皿となるため、短大でも今年4月に創部した。昨年まで高校で指導した磯部監督は「野球を続ける子は先を見越し、中学卒業の段階で東京や大阪に行っていた。今は“九州の大学でも野球ができるんだ!”と知ってもらいたい」と呼びかける。

チームを引っ張る捕手の甲斐主将

 週2回の全体練習は鞍手町のグラウンドで行い、土曜はオープン戦など遠征が多い。「野球もいいけど、アルバイトもしろ」と指揮官は“野球漬け”の生活を選手に求めない。貴重な学生時代を生かして、さまざま経験を積むことを推奨。遠征費など部費も稼げて一石二鳥だ。

 1期生は12人がそろった。初代主将には甲斐仁萌(ひとえ)捕手(1年)が就任。戸畑高では男子と一緒に3年間硬式野球部でプレー。「(自宅から)なるべく近くで野球がしたかった。部活として、しっかり打ち込めると思った」と、この部の門を叩いた。高校で男子と同じ練習をこなした自信を胸に、現在は練習から率先して大きな声を出し、雰囲気を盛り上げる。「うるさくしないと、モチベーションも下がるんで」と頼もしかった。

茶色のロングヘアをなびかせて投球する野口

 折尾愛真高女子野球部から加わったのは5人。中尾優花外野手(1年)は「高校のメンバーと野球がしたかった」と思いを明かす。その一方でスポーツ経験が全くない選手もいる。後藤小夏外野手(1年)は「走攻守どれか一つでもいいので、野球をやってきた選手に追いつきたい」と必死に白球を追う。

 左右2人が主戦投手を務める。渡辺珠咲(1年)は身長1メートル69の長身右腕だ。自宅でも体幹トレーニングなどに励み「ピンチでも抑えられる投手」を目指す。左腕の野口舞(1年)はロングの茶髪がトレードマークの変化球投手。「流れをつくる投球ができれば」と意気込む。

 挑戦は始まったばかりだ。「目標は全国制覇」と甲斐主将は力強い。夢をかなえるために練習あるのみだ。

【槇本コーチ 経験注入、九国大付で09年夏甲子園16強】

九州国際大付で甲子園出場経験がある槇本コーチ。選手に身ぶり手ぶりで指導する

 若いチームにとって槇本兼磨コーチ(26)の存在は大きい。九州国際大付高で09年夏の甲子園に背番号3で出場し16強に貢献。名古屋商科大では、かつてPL学園を率いて甲子園で春夏計6度の優勝を飾った中村順司監督の下でプレーした。

 「勝てるチームにいたという経験は指導に生きてます」

 現在、平日午前は整骨院に勤務。午後は北九州市内の学校などを回ってトレーニング、いい状態で練習や試合に臨むための調整方法を指導する。女子野球の魅力に「彼女たちが心の底から野球を楽しんでいると感じる。伸び伸びとやっているところがいい」と話す。

 まだノックや体づくりなど基礎練習が多い。作戦面も含めた技術練習は始めたばかり。「バントシフトとか、女子野球でやるチームは少ない。どんどん経験を伝えていきたい」と腕まくりした。

高校時代も野球部「リー」赤星 つなぎの2番

チャンスメークで2番の役割を果たしたい赤星

赤星莉々奈内野手(1年)は主に三塁や中堅を守る。折尾愛真高野球部出身だ。「高校最後の大会で負けたのが悔しくて、もうちょっと野球がしたかった」と強い思いで入部した。「リー」の愛称を持つ2番打者。打力向上がチームの課題と認識し「塁に出られるようにしたい」とチャンスメークを誓う。

 ≪ソフトボール出身の宮井「全てが違う…」苦笑≫九産大九州高でソフトボール部主将を務めた宮井杏南(あなん)内野手(1年)は似て非なる競技のギャップに戸惑いながら懸命に励む。「守備の動き方とか、全てが違います」と苦笑いだ。山口の下関短大付高でソフトボールに励んだ上田亜美投手(1年)は「広角に打てるバッターになりたい」と精進を誓った。

 ▽折尾愛真短期大学 北九州市八幡西区の私立大学。1966年(昭41)に折尾女子経済短大として開校。04年から現校名。経済科のみの単科大で商業、観光ビジネス、経営情報、スポーツマネジメントの各コースを選択できる。

[ 2018年5月24日 ]

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