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安倍マリオ 地球の裏側に思い届けた!リオ閉会式でクールジャパン

[ 2016年8月23日 05:30 ]

リオデジャネイロ五輪閉会式

(8月21日 マラカナン競技場)
 リオ五輪閉会式の主役は“安倍マリオ”だった。2020年東京五輪をアピールする紹介映像で、安倍晋三首相が「スーパーマリオ」に変身。日本から土管を通じて地球の反対側のリオへ向かうと、マリオ姿の首相が会場に登場する演出で世界中の視線を独り占めした。東京都の小池百合子都知事は“金メダル着物”で五輪旗を引き継ぎ。4年後に向けた準備がいよいよ本格化する。

 サプライズは「安倍マリオ」の土管パフォーマンスだった。東京のPR映像で、競泳の北島康介氏ら金メダリストがハローキティ、キャプテン翼、パックマンと一緒に赤いボールをリレー。そのボールを受け取った安倍首相はリオに急いで届けるためマリオに変身。東京・渋谷のスクランブル交差点でドラえもんが取り出した土管で最短ルートを通り地球の反対側のリオへ。出発前にはマリオが「RIO」の地図を広げると、「MARIO」の文字になる心憎い演出もあった。

 映像が終わり、マラカナン競技場中央に用意された土管の上にマリオの姿。赤い帽子とコスチュームを脱ぐと、少し硬い表情の安倍首相が登場し、赤いボールを両手で掲げた。届けられたボールは最後に北島氏に渡ると、花火が盛大に打ち上がった。

 閉会式終了後、首相は「安倍マリオ」について「日本のキャラクターの力を借り、日本のソフトパワーを示したかった」と強調。同時に「うまく衣装を取れるか、反応が不安だった。大歓声で迎えていただき、リオ市民に感謝したい」と満足感を漂わせた。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は首相の出演について「世界の人々へ日本を挙げて取り組んでいくという強いメッセージを訴えるためにお願いした」と説明。ゲームアプリ「ポケモンGO」の大ヒットで世界的人気のピカチュウが出なかったことについては「1月下旬から演出の検討を始めた時にポケモンGOは配信されておらず、演出上の役割も考えてのこと」とした。

 国際映像で流れた影響もあり、登場キャラクターの関連企業の株価は軒並み上昇。任天堂は「マリオが登場し、東京五輪への橋渡し役を担ったことを大変光栄に思います」とコメント。サンリオは閉会式のためにキティの特別デザインを描き起こしており「このような舞台に参加できたことを大変光栄に思います」。

 東京のパフォーマンスは約8分間。最新技術を駆使して、世界からの東日本大震災の支援に対する感謝と、おもてなしの心を人文字や踊りで表現した。セレモニーの検討メンバーである歌手の椎名林檎が音楽総監督、「Perfume」の振り付け・ライブ演出を担当する振付師MIKIKO氏が総合演出。4年後に向かう新しい“ニッポン”を世界に届けた。

 ▼玉木正之氏(スポーツ評論家) 閉会式で安倍首相が登場したことには大いに違和感があった。スポーツは政治から独立したもので、主役は選手。政治家はあくまで応援する存在であり、首相は出てくるべきではなかった。東京五輪・パラリンピックを、政治色を排して開催できるのかは今後の課題だ。日本が獲得したメダル数が過去最多になったことは良かった。指導が良かったのか、周囲のバックアップの影響なのか、各競技団体で分析して今後に生かしてほしい。

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2016年8月23日のニュース