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【服部道子の目】バランス&リズムいい野村、大山も気持ち切れてない

[ 2016年8月19日 19:09 ]

第2ラウンド、1番で第3打を放つ野村

リオデジャネイロ五輪ゴルフ女子第2日

(8月18日 ブラジル・リオデジャネイロ オリンピック・ゴルフコース=6245ヤード、パー71)
 野村さんは第2日もきっちりスコアを伸ばしてきました。スイングは緩みも、力みもない。バランス良く、リズム良く振れています。2日間とも2アンダーですが、もっと良いスコアが出てもおかしくない内容です。

 野村さんはオフにショートゲームの練習に時間を割きました。もともとアプローチはうまい選手ですが、難しい状況からでもほとんどミスしないため安心して見ていられます。今年は特にパットがレベルアップして球の転がりが良くなりました。今週も長いパットを強気に打って入れてくる場面が数多く見られます。米ツアーではバーディー数では2位にランクされています。ショートゲームの進化が後押ししているのだと思います。

 大山さんもショットの調子は良いと思います。前半で3つスコアを伸ばしたことで少し欲が出て、それが裏目に出てしまったのかなという印象です。上位とは少し離れましたが、バーディーが獲れているので巻き返しは可能です。18番をバーディーで締めたように気持ちも切れていないし、諦めずに追い上げてほしいと思います。

 このコースは飛ばし屋有利とされていますが、第2日に63をマークしたルイスはそれほど飛距離の出る選手ではありません。飛ばなくてもマネジメント次第でビッグスコアが出せるということを証明しました。第3日以降はピンポジションが難しくなることが予想されます。無理にピンを狙うとピンチになる危険性があるのでマネジメントがより重要になります。攻めるところは攻める、守るところは守る。メリハリを付けていけばスコアを伸ばせるはずです。

 首位に立った元世界ランキング1位の朴仁妃選手は左手の負傷で長期離脱し、これが2カ月ぶりの復帰戦です。もう痛みはなさそうですが、スイングには少し変化がありました。以前はもっとターフを取っていたのですが、左手への負担を少なくするためターフを深く取らないようにしています。

 このコースのフェアウエーは、高麗芝に近い芝種で球が浮いていてクラブを打ち込まなくてもいいので、左手に不安のある彼女にとってはプラスになっています。また全米女子オープンなどのように深く、粘り気のあるラフがないこともプレーしやすい要因になっています。(プロゴルファー)

 ◆服部 道子(はっとり・みちこ)1968年(昭43)9月8日、愛知県日進市生まれの47歳。11歳でゴルフを始める。米テキサス大オースチン校卒。日本女子アマチュア選手権優勝3回。85年全米女子アマチュア選手権優勝。91年プロ転向。国内ツアー通算18勝(メジャー3勝)。98年賞金女王。1メートル68。59キロ。

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2016年8月19日のニュース