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伊調馨 東京五輪での5連覇「今は考えられない」「とりあえず一区切り」

[ 2016年8月18日 09:12 ]

<女子レスリング58キロ決勝>金メダルを胸に天を見上げる伊調馨

リオデジャネイロ五輪 レスリング女子58キロ級決勝

(8月17日)
 レスリング女子フリースタイル58キロ級の伊調馨(32=ALSOK)が17日、決勝でワレリア・コブロワゾロボワ(ロシア)を下し、五輪4連覇を達成した。全競技を通じて個人種目の五輪4連覇は男子4人が達成しているが、女子では史上初の快挙となった。

――メダルの感想は
ほっとしています。

――内容的には厳しい展開だったが、振り返って
内容はだめだめで、もっといい試合をしたかったなという悔しい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。最後金メダル獲れたのは自分の力ではなく、これまで応援してくれた方、支えてくださった方、みんなの力が私に力を与えてくれたと思います。

――残り30秒、負けている展開で何を考えていた?
攻めにいくことを考えてましたけど、相手が攻めてきたので、ここがラストチャンスかなと思って、絶対取ろうと思いました。

――タックルは取ろうと思ったけど取れなかった?
そうですね、なかなかいいところがつかめなかったし、自分の勇気のなさもあったと思います。

――相手を入らせて取り返そうという思いがあった?
ないです、ナチュラルです。

――負けも意識した?
やばい、みたいな。そこまでは考えてなかったですね。

――焦りはなかった?
自分が攻めて取れなかったら負けたのかもしれないですけど。入ってきて切った時にここしかない、ここを取ったら勝てると。

――お母さんの遺影を抱きしめていたが
本当にこんなにも天井を見上げたオリンピックはないなと思います。必ず上を向いて、母としゃべってから試合に臨みました。最後もきっと母が助けてくれたと思います。

――きょうは何と話した?
見ててね、絶対金メダル獲るから。いい試合するねって言っていたんですけど、まずごめんねと言いたいのと、ありがとうと言いたいです。

――どんな部分がごめん?
もっといい試合をしたかったです。

――日の丸掲げて上を見上げた。何か話した?
あの時は笑っていました。

――自己採点を
金メダルに免除していただいて、30点。

――いつもより高い?
高いです、金メダルのおかげで30点。

――世界選手権は25点だったが
過去の点数は覚えていないからよくわからないです。

――金メダルの内訳は?
25点です。

――試合は5点?
そうですね。

――初戦から硬かったのか、体力をあまり使わないとか作戦があった?
そんなことないです。今回は戦うのが怖かったです。始まる前から。いつもと違うなという感じでしたね。4連覇のプレッシャーとかじゃなく、何か戦うことが怖いと思ったオリンピックは初めてかもしれないです。

――ヤリギン国際の黒星は関係している?
関係していると思います。母がいないということも重なっているし、でも気持ちで獲れたんだと思います。

――東京での5連覇も考えられる?
今は考えられないですね。とりあえずこの金メダルをたくさんの人に見せたいです。

――笑っているようにも見えたが?
金メダルだったことは満足ですけど、レスリング選手としては出直してこいって感じですよね。

――レスリング追求したいという気持ちがまた芽生えた?
やっぱりレスリングって難しいですし、環境によって気持ちの変化も。心技体のスポーツなんだなと思いました、改めて。だからこそやりがいがあるし、こうやっていいこともあるし。

――遺影抱きしめた時に泣いているようにも見えた
家族の顔だったり、支えてくださった方の顔を見たら涙が出ました。

――登坂の逆転勝ちは見ていた?
はい、アップ場で。

――緊張をかきたてられた?
所々見れなかったんですけど最後だけは見て。やっぱり絵莉の勝ち方はああいう勝ち方だと思って。ああならないようにしようと思ったんですけどね、なっちゃいました。

――強い相手出てくるのは女子レスリングのレベルが上がっている。うれしいこと?
そうですね、各国レベルが上がってきていると思いますし、これから面白くなると思います。

――今までの3つのメダルと違う?
いつもより重い気がします。みんなの気持ちが。たくさんの人の気持ちが入った重たいメダルです。

――階級変更については63キロの3連覇よりも、58キロの方が展開も多いですし、ちょっと意味が違うというか、面白みのある階級での金メダルなのでちょっとうれしいです。

――今回はレスリングを見せるというより勝ちにいった感じ?
そう思ったり、自分のレスリング出したいと思ったり、交互に来ていました。試合中も、試合に臨む前も。攻めなきゃ攻めなきゃって思う気持ちもあるし、試合に入ると、ここで入ったら取られてしまうのかな、勝ちにこだわらないといけないのかな、といろんな気持ちが混ざっていました。

――きょうの試合は自分の中で最後だという気持ちは?
一応区切りとして。オリンピックは4年に1度なので。ここまで来られたことに感謝して、マットにも礼をしましたし、応援してくださった方にも礼をして。とりあえず一区切りということで。

――気持ちの整理をして今後を考える?
もうちょっと金メダル余韻にひたりたいです。

――いつもだったら試合に不満があるとすぐ練習すると思うが、今回は反省点がたくさんあるので、そこはきっと怒られるんじゃないかなと思うんですけど。

――また練習したい?
したいです。

――終わった後表彰台で試合を振り返った?
それはうれし過ぎてしてないです。珍しいですね。4連覇がうれしかったというより金メダルが獲れたことが。優勝できたことが。

――番うれしい金?
そうですね。

――帰って何をしたい?
何したいかな、遊びたいです。

――家族へどういう思い?
本当に仲の良い家族なので。家族の応援があって、ここまで来られたので。どういう思いかな、恥ずかしいですけど、みんな喜んでくれたので良かったです。

――お墓参りは五輪前に行けた?
行けなかったです、行こうと思ったんですけど夏休みもあったし。千春が帰省ラッシュもあるから来なくていいと言ってくれて。千春とお父さんが行くから来なくていいと言われて。千春が逆に東京に来てくれました。

――では帰ってから?
はい、行きます。

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