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米国に完敗、連続メダルならず サオリン「今は全然、何も…」

[ 2016年8月18日 05:30 ]

日本―米国 第3セット、得点を許した佐藤(5)、荒木(11)ら

リオデジャネイロ五輪・バレーボール女子準々決勝

 女子バレーの準々決勝が行われ、世界ランク5位の日本は同1位の米国と対戦し0―3で敗れた。銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪に続く2大会連続の表彰台はならなかった。主将の木村沙織(29=東レ)は試合後、今後の去就について白紙を強調した。

 必死で手を伸ばした。だが、届かなかった。相手の最後のスパイクは木村の目の前に落ちた。ロンドン五輪の銅メダルを上回る「金」を目標に掲げた今大会。しかし、8強で敗退した。「目標を達成できなくて凄く残念ですけど、最後まで良いチームだったと思います。このチームの主将をできて幸せだった」と、声を震わせた。

 力負けだった。第1セットは簡単に落とした。第2セットは粘りながらも競り負けた。最終セットは13―20と7点差をつけられながらも、そこから7連続得点で追いついた。その間、木村は3本のスパイクと、1つのブロックを決めた。「(セットを)落としたら、このチームが終わってしまうという状況だったので最後は気持ちを込めてプレーした」。しかし、最後は世界ランク1位の米国に屈し、自身4度目の五輪は幕を閉じた。

 高校生で出場したアテネ大会から12年。ロンドンからの4年間はケガとの闘いでもあった。ロンドン五輪後は、一度は現役引退を決意。当時、プレーしていたトルコまで真鍋監督が訪れ、「おまえが主将じゃないと金メダルを獲れない」と、説得されて翻意し現役を続行した。14年の世界選手権は左膝を痛め、たまった水を抜いて戦った。昨年のW杯では右肩の可動域が狭まり、満足に動かせなかった。昨年から練習前はゴムチューブを使って15分ほどの準備運動を欠かさない。チームで筋力トレーニングをする際も肩、体幹の動きを重視する別メニューを続けてきた。全ては集大成と位置付けたリオ五輪のためだった。

 この日、夢は散った。米国に力の差を見せつけられた木村は「このチームの主将をできて幸せだった」と声を震わせた。高校生で出場したアテネ大会から12年。ロンドン大会以降はケガと闘いながら日本を引っ張ってきた。木村は今後について「今は全然、何も考えていなくて。特にプランもないです」と白紙を強調。一方で、試合後の円陣では「4年間ありがとうございました」とチームに語りかけ、セッターの宮下には「紗理那をよろしくね」と直前で代表を外れた若きエース候補、古賀紗理那(NEC)の名を出した。東京五輪は若手に託す思いをのぞかせた。

 ▼米国の女子バレー&バスケ成績 バレー代表は金メダルがなく、84、08、12年の銀メダルが最高成績。バスケットは金メダル14度。戦後は72年、出場しなかった80年、88、04年を除いて金メダル

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2016年8月18日のニュース