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白井の父・勝晃さん 健三の夢、私の夢 東京では頂点で輝いて

[ 2016年8月17日 09:50 ]

演技を見守る白井の父・勝晃さんと母・徳美さん

リオデジャネイロ五輪体操・種目別跳馬決勝

(8月15日)
 【白井の父・勝晃さん独占手記】健三、良かったね!本当におめでとう。(伸身ユルチェンコ3回半ひねりの)1本だけの得点なら、世界チャンピオンですよ。7割くらいしか完成していないと聞いていましたが、まさか一番いいものが本番で出るとは…。体を見ても分かると思いますが、他の選手はゴツいけど、健三はまだひょろひょろ。いかにテクニックが優れているかの証明でしょう。

 今大会、ずっと表情が硬かったけど、最後にようやくいつもの表情に戻りましたね。親としてはね、早く解放してあげたかった。床運動でメダルは獲れなかったですが、課題を克服する健三を見た体操の神様が、「このまま帰してはいけない」とプレゼントをくれたのではないでしょうか。

 健三が生まれる前日の96年8月23日、私は不思議な夢を見ました。どこかの大会の結果なのか、電光掲示板の一番上に「KENZO SHIRAI JAPAN」という文字が映し出されました。まだ名前も決めていなくて、妻(徳美さん)に「こういう夢を見たんだけど、どうかな」と相談しました。3人目の子供を流産していることもあり、「健康な三男に育ってほしい」という思いも込めて「健三」という名前に決まりました。

 13年、健三が初めて出場したアントワープの世界選手権で、夢は現実になります。床運動で金メダルを獲得すると、夢と同じ光景がありました。「これなんだよ、これこれ!これが出てきたんだ。まったく同じだよ!」と大興奮して、鳥肌が立ちました。

 跳馬の表彰式では、上から3番目に名前が表示されていましたね。一番上に表示されるのを、東京五輪までの4年間、楽しみに待っています。床運動で金メダルを獲っていたら、東京ではめちゃくちゃプレッシャーがかかって、挑戦者じゃなくなってしまう。挑戦者で臨めるというのはいいと思います。

 4年後は23歳。年齢的にもチームを引っ張っていかないといけない選手になります。団体で金メダルを獲得したチームの雰囲気を、下の世代に伝授していかなくてはいけない。東京五輪では、中心選手として精いっぱい頑張ってほしいですね。

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