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【中村真衣の目】東京五輪では違う重圧も レース楽しめる選手になってほしい

[ 2016年8月14日 14:18 ]

競泳男子400mメドレーリレーチームにエールをおくる日本選手団

 男子400メートルメドレーリレーは、3大会連続で獲得してきたメダルが途切れ、悔しい結果となりました。確実に世界のレベルが上がっていると感じたし、この結果をいい経験として、特に若い選手は東京五輪に向けて日本を引っ張ってほしいと思います。

 大会を通して金2個を含む計7個のメダル獲得は、素晴らしい結果だったと思います。中でも、金メダルを期待された中で結果を出した萩野、金藤の両選手は、メンタルの強さを評価したい。世界と大きな差があった自由形で銅メダルを獲った男子800メートルリレーも、印象に残りました。

 次はいよいよ東京五輪です。4年後を目指す選手には、今回、目で見て肌で感じた世界のレベルを生かしてほしい。わたしは、1994年の世界選手権に15歳で初出場しましたが、テレビや本で見ていた選手と一緒に泳ぐだけで緊張し、勝負になりませんでした。

 その悔しさを次は味わいたくない、またこの場所で戦いたいという思いが、夢だったメダルを目標にするきっかけになりました。96年のアトランタ五輪は、出場するだけで満足する自分がいました。注目度が全く違う五輪の厳しさを感じ、出場するだけじゃダメなのがスポーツの世界だと痛感しました。

 メダルを獲らなければ意味がないとは思いません。ただ、4年に一度の大舞台で自分の力を出し切ることは大切だと思います。今回、結果を残せなかった選手は、その悔しさをムダにはしてほしくない。金藤選手、星選手のベテラン2人の頑張りを、特に女子の中・高校生の選手は目に焼き付けて、高い目標を持ってほしい。

 同じ五輪でも東京五輪は、今回とは全く違う重圧がかかると思います。しかし、自国開催の五輪を目指せるのは、とても幸せなことでもあります。その喜びをかみしめながら、楽しんでレースに臨めるような選手に成長し、4年後は自信を持って東京五輪を迎えてほしいと思います。 (2000年シドニー五輪女子100メートル背泳ぎ銀メダル)

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2016年8月14日のニュース