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【林享の目】金藤、新スタイル死角なし 萩野、前半攻めてほしかった

[ 2016年8月13日 09:48 ]

金メダルを手に笑顔の金藤

リオデジャネイロ五輪 競泳

(8月11日)
 予選、準決勝はいずれも2分22秒台でどうなるかと思ったが、無用の心配だった。決勝では前後半いずれも前日よりタイムを上げた。150メートルまでにトップに立って逃げ切りに入ったが、ラスト50メートルのラップタイム36秒07は断トツのトップ。2分19秒台の力を持つ金藤としては会心のレースではなかったが、他を寄せつけない圧勝だった。それだけ金藤の実力が抜きん出ていた。

 金藤は今年に入ってスタイルを変えた。これまでは大きな泳ぎが特徴だったが、ストローク数を増やし、テンポを上げた。もともと後半に強いが、前半でも遅れない力がついた。平泳ぎはちょっとしたタイミングのズレで泳ぎが崩れるが、金藤は今季常に好タイムを維持し続けた。底上げができていたからこそ、重圧のかかる五輪で力を出せた。

 200メートルでもしっかり結果を残した萩野は素晴らしい。欲を言うと、もう少し前半を積極的にいってほしかった。得意の2番目の背泳ぎを終えて4番手だったが、リードを奪う展開だったら、フェルプスと勝負できたと思う。 (東海学園大水泳部監督、92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位)

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2016年8月13日のニュース