×

4強セブンズ 奇跡は起きずも…最後は“名曲”大合唱

[ 2016年8月13日 05:30 ]

<日本・南アフリカ>前半スパイクが脱げながらもトライを決める桑水流

リオデジャネイロ五輪ラグビー7人制・男子3位決定戦 日本14―54南アフリカ

(8月11日)
 男子日本代表は準決勝でフィジーに5―20で敗れ、3位決定戦では南アフリカに14―54で敗れて4位に終わった。メダルをあと一歩で逃したものの、五輪初実施の競技で、ニュージーランドなど世界の強豪に勝ったのは収穫。2020年東京五輪でのメダル獲りへ向け期待が膨らんだ。決勝はフィジーが英国から7トライを奪って43―7で大勝し、初代王者となった。

 奇跡はそう簡単に起きなかった。3位決定戦の日本は南アフリカと対戦。15人制では昨年W杯で世紀の番狂わせを起こした相手だ。ドラマのお膳立てはそろっていたが、スピードの次元が違った。ボールを持たれるとほぼトライにつなげられた。計8トライ。完敗だった。

 「3位と4位の差は物凄く大きい。実力もトップ3との差はまだまだあったと思う。その差を埋めるためにこれからやっていこうということと、この素晴らしい経験を自分の人生に生かしてほしいと伝えた」と瀬川ヘッドコーチはピッチ上でのラストメッセージの内容を明かした。

 「オリンピック出場が決まってから長く準備をしてきた。ワールドシリーズだと1週間で試合に臨むようなことが多かった。今回は力を出し切ろうという気持ちだった」
 桑水流(くわずる)主将は誠実な人柄通り、丁寧に心境を吐露した。福岡大2年で7人制代表に初選出。リオでの五輪種目が決まった09年より前、05年のことだ。代表歴は実に11年。黎(れい)明期を知るミスターセブンズ。ニュージーランド撃破で注目を集めた日々に誇りを感じていた。

 パチ、パチと誰かが指を鳴らしたのは競技場外でのミーティングが終わった後だった。乾いた音に合わせて皆が肩を組みハーモニーが響いた。

 ♪上を向いて歩こう 涙がこぼれないように

 開幕前にブラジルの日本大使館を訪問。「余興を」と促され、みんなで坂本九さんの名曲を歌った。大会中はバス移動、練習後に口ずさんだ。リオで生まれたチームソングでメンバーは解散した。

 メダルは届かなかったが、五輪の4強だ。上を向いて歩こう。さあ、TOKYOまで。上を向いて歩こう。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月13日のニュース