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【フェンシング】太田だけじゃない!徳南堅太、メダルで視線引き寄せる

[ 2016年8月4日 11:15 ]

フェンシング男子サーブル代表の徳南堅太

 フェンシング男子サーブル日本代表の徳南堅太(28=デロイト・トーマツ・コンサルティング)がリオデジャネイロ五輪に初出場する。4年前は最終選考にも残れなかったが、今年4月に中国・無錫市で行われたアジア・オセアニア予選で3位に入り五輪切符をつかんだ。日本で同競技といえば太田雄貴(30=森永製菓)の活躍などからフルーレ種目の知名度が圧倒的。それだけに「サーブルのスピード感、戦術的な部分を見てほしい」と自身の活躍でこの状況に一石を投じるつもりだ。

 リオという夢舞台に立つため「この4年間は計画的に過ごしました」。一皮むけなければ世界で戦えない…。もう一段上に行くため、選んだ決断は強豪国・韓国への単身武者修行だった。「誰にも頼らず全て1人の力で韓国へ行きました」とロンドン五輪翌年の2月に渡韓。「2カ月間、精神的な成長の期待も含め、クラブチームとも毎日練習を重ねました。語学の勉強も頑張り、積極的にコミュニケーションも取りました」と日々徹底的に自身をいじめ抜いた。

 「たったの2カ月で急な変化はありません」と話すが、それでも間違いなく大きなターニングポイントになった。心身ともに成長して臨んだ最終予選で五輪出場を決めた瞬間は、自身の決断が正しかったことを証明でき「“やった!”というより“良かった”という気持ちの方が大きかった」と振り返る。

 フェンシング個人競技はエペ、フルーレ、サーブルの3種目があり、男女合わせて6人の代表枠があるが、実は6人のうち4人を徳南と同じ福井・武生商業高出身者が占めた。「個人でこれだけ多くの選手が同郷だということを誇りに思う」と徳南。と同時に恩師への感謝の気持ちも口にする。

 高校時代、諸江克昭監督からは在学中、365日休むことなく指導を受けた。「他のどの高校よりも練習をしていました。先生は強くなるヒントだけを出す人だったので、徹底的に考えなければならず、頭を使って強くなった」。技術はもちろんだが、培ったのは考える力。妥協を許さず、常に考えて行動することを叩きこまれ、その結果がリオ行きへとつながった。

 日本では太田などの活躍からフルーレが圧倒的な知名度を持つが、サーブル代表の徳南は、自身の活躍でこの状況を変えたいと意気込む。「(サーブルの特徴は)なんといってもスピードの速さ、そして豪快な斬り技です」と魅力をアピール。「自分は攻撃的なスタイルなので、ものすごく頭を使う。ぜひ戦術的な部分を見て欲しい」。そして目指すはメダル獲得。サーブルの“メジャー化”へ「メダルへのイメージはできています。あとは体調を整えてピークを本番に持っていくだけ。絶対に結果を出します」と力を込めた。

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2016年8月4日のニュース