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萩野 競泳ニッポン60年ぶり金銀独占へ「大也と競る」

[ 2016年7月31日 08:47 ]

リオデジャネイロ空港に到着した萩野(中央)

 リオデジャネイロ五輪競泳代表のエース、萩野公介(21=東洋大)が30日、五輪水泳競技場で初練習した。29日に欧州遠征を終えてリオ入り。世界ランキング1位で臨む6日(日本時間7日)の男子400メートル個人メドレーは、世界選手権2連覇中の瀬戸大也(22=JSS毛呂山)と一騎打ちの様相だ。1956年メルボルン大会以来、競泳では60年ぶり日本勢金、銀メダル独占による決着も夢ではない。

 1万5000人収容のメインプール。午前11時に姿を見せた萩野は入念なストレッチを終えると、ゆったりとしたストロークで水の感触を確かめた。前日29日に経由地リスボンからリオの国際空港に降り立ったが、自信に満ちあふれた表情には風格が漂い、期待値を示すようにカメラのフラッシュを一斉に浴びた。「4年に1度の人生を懸けた舞台。自分の目標は優勝なので、実力を全て出し切って満足する結果で自分の競技を終えたい」。8日後に迫った瀬戸との勝負に鼓動が高鳴る。

 15年世界選手権200メートルバタフライ金メダルの星奈津美(ミズノ)と平井伯昌コーチと3人で、5月25日に日本をたち欧州の大会を転戦して2カ月以上、武者修行した。最後の1カ月は平泳ぎ五輪4冠の北島康介氏がアテネ五輪前に合宿を行った標高2350メートルのスペイン・グラナダでの“高地トレ”。勝負のポイントを最後の自由形と想定し、瀬戸と競る“イメトレ”を繰り返した。「やるべきことは全部やってきた。あとは本番で実力を発揮するだけ」。気合十分だ。

 400メートル個人メドレーは96年アトランタ五輪から米国が5連覇中。ロンドン五輪覇者ライアン・ロクテが米国内の選考会で脱落し、もう1人の金メダル候補が消えた。そうなると、中2で初めて同世代に負けた相手の瀬戸に意識が傾く。安定感に欠くライバルだが、13、15年世界選手権を制すなど大舞台での強さは天下一品。ロクテ不在で瀬戸とのマッチレースが予想され「大也とは競ることになる。そのためにいろいろ準備してきた」と力を込めた。

 競泳日本勢の金、銀メダル独占となれば、1956年メルボルン大会男子200メートル平泳ぎ金メダル古川勝と銀メダル吉村昌弘以来、60年ぶり快挙だ。前回ロンドン五輪は銅メダルでチームに勢いをつけた。リオで瀬戸とのワンツーフィニッシュを制して偉業を成し遂げれば、メダルラッシュの火が立ち上るはずだ。右肘骨折により欠場した昨夏の世界選手権から1年。悔しさを糧に己を磨いた。「無事にここまで来ることができた。泳げる幸せというか、この場にいる幸せをかみしめて全力を尽くしたい」と目を輝かせた。

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2016年7月31日のニュース