×

入江3大会連続も反省「これでは世界では戦えない」

[ 2016年4月7日 05:30 ]

ともに100m背泳ぎでの五輪出場を決め、喜びを分かち合う入江(左)と長谷川

競泳リオデジャネイロ五輪選考会兼日本選手権第3日 

(4月6日 東京辰巳国際水泳場)
 大本命がきっちりと3大会連続の五輪切符を確保した。男子100メートル背泳ぎでロンドン銅の入江が1着フィニッシュ。第一声で「うれしいしホッとした気持ちが一番」と答えたが、時計、内容、全てに納得がいかず「これでは世界では戦えない」と反省の言葉を発した。

 スタートから周りが飛ばしに飛ばす中、苦手な前半を25秒79の3番手でターン。「久しぶりの25秒7台」と手応えを得る入りを見せたが、五輪選考独特の緊張感からか、後半は力んで「空かきになり」、本来の推進力を失った。それでも「逆転の入江」の面目躍如で1着。「五輪を目指す気持ちは15歳も37歳も一緒。4年前の方が余裕があった」と緊張していたことを明かした。

 まだ全盛期には遠いが、ロンドン後の世界選手権は2大会連続で個人メダルを逃した入江が復調できたのは「チーム入江」の存在が大きい。昨夏の世界選手権から帰国して3日後、道浦健寿コーチの呼びかけに応じて04年アテネ五輪200メートルバタフライ銀メダルの山本貴司氏、長年北島康介を支えた分析担当の岩原文彦氏、トレーナーの小泉圭介氏が一堂に会し、リオに向けた再生案が話し合われた。出された答えは肉体改造と、「高校時代のボートのかいのようなストローク」(道浦コーチ)を取り戻すこと。昨夏から5キロ増の肉体が繰り出すパワフルな泳ぎが今回は空回りしたが、悲願の五輪金への準備は整いつつある。

 200メートルへ向け「ここが終着点じゃない」と言った入江。照準を合わせてきた得意種目での爆発を予告し、スタンドからの黄色い歓声には柔和な笑みを振りまいた。

 ◆入江 陵介(いりえ・りょうすけ)男子100メートル、200メートル背泳ぎの日本記録保持者。08年北京五輪は200メートルで5位、12年ロンドン五輪は100メートルで銅メダル、200メートルで銀メダル。13年、15年世界選手権は表彰台を逃した。大阪・近大付高、近大出、イトマン東進。1メートル78、67キロ。26歳。大阪府出身。

続きを表示

2016年4月7日のニュース