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ザハ氏交渉要求 新国立デザイン類似問題、具体例挙げ書面で通知

[ 2016年1月15日 05:30 ]

 東京五輪で使う新国立競技場の旧計画のデザインを担ったザハ・ハディド氏の建築事務所は14日、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に対し、新計画のデザインが旧計画とかなり類似しているとし、具体例を挙げて書面で通知したことを明かし、著作権をめぐる交渉を要求した。同事務所は声明で、書面を「議論の基礎」と位置付けた。

 これに先立ち同事務所は13日、JSCからデザインの未納代金を全額支払うのと引き換えに著作権を譲るよう書面で要請されたが、拒否したと表明した。支払いと引き換えに事業についてのコメントを封じる追加の契約条項への署名も求められたが、これも拒んだと説明している。

 事務所の主張に対し、JSCは「対応を検討している」と述べた。旧計画の応募要項には「著作権は応募者に帰属する」と記していたという。

 知的財産問題に詳しい西村啓一弁理士は「JSCからすると、これ以上もめ事に関わらないよう著作権の譲渡を求めたのかもしれない。完成してから、ザハ氏に著作権の侵害と言われることを避けたい状況だったのではないか」と語った。

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2016年1月15日のニュース