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渡部暁 ラージヒルで「青メダル」を金に変える!

[ 2014年2月18日 05:30 ]

引き締まった表情でジャンプ台へ向かう渡部暁

ソチ五輪ノルディックスキー複合ラージヒル

 ノルディックスキー複合のラージヒル(LH)は18日(前半飛躍=日本時間同日午後6時30分、後半距離=同午後9時)に行われる。ノーマルヒル(NH)で銀メダルを獲得した渡部暁斗(25=北野建設)は17日の練習でジャンプを2本飛び、距離コースの最終確認も行った。ジャンプ男子で銀メダルを獲得した葛西紀明(41=土屋ホーム)に感服し、「僕なんてまだ“青メダル”」と刺激を受けつつ個人複数メダル獲得に挑む。

 銀メダリストとなった渡部暁が再び出陣する。今季W杯ではジャンプ台の大きさにかかわらず力を発揮して総合2位。「LHの方がスピード感があってタイミングの取り方がNHより難しい。空中の技術も必要になるが、そこは僕の武器」と言う通りに、前日練習でも1回目2位、3回目3位と安定したジャンプを見せた。NHの試合時より気温は下がり、距離のコースの雪質も変化しているが「なるようにしかならない」と自然体だ。

 15日には葛西の試合を宿舎のテレビで観戦した。「めちゃめちゃ興奮した。メダルの色どうこうよりも葛西さんが成し遂げたこと自体が素晴らしい」。同じノルディック勢としてレジェンドの快挙に奮い立ち、「同じ銀でも僕のとは価値が違う。僕なんてまだまだ青い。“青メダル”ですよ」と称賛の言葉を贈った。

 とはいえ、メダリストとなった実感も湧いている。メダル授与式ではカメラマンに「メダルをかんで」とお願いされたが「かんじゃ駄目と言われた」と日本選手団として“メダルかむな指令”が出ていることを明かした。指令の理由は明らかになっていないが、その話題の広まり方を見て「発言には注意しないと」と冗談半分に笑った。

 渡部暁には複合競技をより深く知ってもらい、五輪のメダルだけでなくW杯総合優勝の価値などを伝えたいという思いもある。“発言力”が増すのは悪いことばかりではない。LHで手に入れるメダルは金か銀か銅か、はたまた青か。複数メダル獲得となれば、その発言も一層注目を浴びることになる。

 ▽ノルディック複合 前半の飛躍(1回)と後半の距離で争われる競技で、総合的な運動能力を求められることから「キング・オブ・スキー」と呼ばれる。飛躍の得点を1点あたり4秒に換算し、距離では前半1位の選手から順番にスタートする。個人にはノーマルヒルとラージヒルがあり、距離はいずれも10キロ。1チーム4人で争われる団体では、飛躍はラージヒル、距離は5キロ×4で行われる。

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