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沙羅 VSサラ歓迎!ライバル復帰「モチベーション上がる」

[ 2014年1月23日 05:30 ]

海外遠征へ出発した高梨沙羅

 ソチ五輪のノルディックスキー・ジャンプ女子日本代表の高梨沙羅(17=クラレ)が22日、成田空港発の航空機で五輪本番を含めた海外遠征に出発した。昨夏に右膝を手術した昨季世界選手権優勝のサラ・ヘンドリクソン(19=米国)が飛躍の練習を再開して五輪出場に前進したが、高梨はライバルの復帰を歓迎。沙羅がサラを撃破して金メダルを手にする。

 ライバルの復帰が17歳のハートに火を付ける。負傷欠場が続くヘンドリクソンが飛躍の練習を再開したことを聞くと、高梨の声のトーンが一段上がった。「憧れの選手が復帰してくるのはモチベーションが上がる。同じ試合に出られるのはうれしい」。宿敵である11~12年のW杯女王は2月1、2日のW杯第12、13戦に出場の可能性がある。沙羅とサラの今季初対決が実現すれば、そのまま夢舞台の前哨戦になる。

 最強ライバル復帰で金メダル争いは激化も、小川・女子チーフコーチは「女子ジャンプにとって、せっかく1回目の五輪だし、みんなでやりたいでしょ。みんな歓迎してますよ」と説明する。金メダルへの道のりが険しくなったとしても、高梨には高いレベルで競い合いたいという思いがある。「まあ、それを楽しめる沙羅も凄いんですけどね」と同コーチは17歳のメンタルに舌を巻いた。

 本番を見据えて調整は実戦重視だ。今後はW杯計4戦、世界ジュニア選手権の個人&団体と五輪まで6試合に出場。今季W杯9戦8勝とほぼ無敵の進撃を続ける17歳にとって最も懸念されるのは故障だが、6試合エントリーは高梨の意志だ。「試合勘を保てる一方で心配なのは疲れとケガ。練習量はできるだけ少なくする」と同コーチ。練習、試合で飛ぶ一本一本がソチにつながると信じて、集中力を高めていく。

 五輪を含む海外遠征の出発に大勢の報道陣が集結し、無数のフラッシュを浴びた。「たくさんの方々に集まっていただいて幸せだなと思う」と話した高梨は、こう続けた。「今の自分があるのは、支えて応援してくれた方々のおかげ。感謝の気持ちを見せたい」。17歳が感謝の気持ちを込めたジャンプはきっと、ライバルをはるかに超える。

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2014年1月23日のニュース