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星野びっくり滑り込み切符 選考最終戦で初表彰台

[ 2014年1月21日 05:30 ]

女子で3位に入り、笑顔を見せる星野純子

フリースタイルスキーW杯モーグル第6戦

(1月19日 カナダ・バルサンコム)
 女子では24歳の星野純子(リステル)が土壇場で五輪代表に滑り込んだ。決勝2回目は21・92点で自身初の表彰台となる3位。全日本スキー連盟(SAJ)が定めたソチ五輪代表の選考基準をクリアし、20日に代表入りが発表された。男子の遠藤尚(23=忍建設)は決勝2回目で19・35点の6位。男子はアレクサンドル・ビロドー(26=カナダ)が今季3勝目、女子はクロエ・デュフールラポワント(22=カナダ)が初優勝した。

 五輪代表選考対象の最終戦。星野が派遣基準をクリアするにはトップ10が必要だった。後がない状況で上位16人までの決勝に進出。1回目の滑走で上位6人に滑り込み2回目に初進出したどころか、初の表彰台に上がり「信じられない。ラッキーだった。表彰台にいくとは思っていなかった」と笑顔がはじけた。

 無欲の快進撃だ。予選は18・86点と伸びずに敗退を覚悟したという。だが、難コースに得点を伸ばせない選手が続出。13位で今季2度目の決勝に進むと、持ち前の大きなエアを武器に攻め切った。ミスのない滑りはソチに続く起死回生の滑りとなった。

 地元の新潟大を卒業後、12年4月に福島のホテルリステル猪苗代に就職した。しかし、東日本大震災の余波を受けてホテルは従業員削減などを進めている最中だった。モーグル選手の受け入れには議論もあったというが星野は仕事にも真剣に取り組み、スポーツレジャー部でプールの管理やスパの受付など、他の社員と同じ業務をこなしながら練習を続けてきた。

 リステルでの星野の上司で11年まで全日本のフリースタイル・ヘッドコーチを務めていた高野弥寸志氏(51)は「初めてW杯を回り始めた10~11年シーズンは本当につらそうだった」と振り返る。デビューシーズンは移動や時差、体のケア、試合の連続に戸惑いの連続。練習中に滑りながら泣きだし「どうやって滑っていいか分かりません」とゴールの脇でゴーグルも外さずに泣いたという。

 しかし、それから4シーズン、海外での経験を重ねて“泣き虫純子”もたくましく成長した。今回はタフな北米5連戦だったが、最後に大仕事。星野は「憧れの五輪に行けるのが凄くうれしい。自分の一番いい滑りをしたい」と夢舞台を待ち切れない様子だった。

 ▽SAJの派遣基準 星野は強化ランクCのため、今季と昨季の2シーズンの「世界レベルの競技会」で(1)8位以内を1回以上(2)10位以内を2回以上(3)12位以内を3回以上、のいずれかを満たす必要があった。星野はW杯第2戦で10位に入り、基準クリアには選考対象最終戦で10位以内が必要だった。

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2014年1月21日のニュース