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ヤクルト始球式 レスリング銅・松本が闘魂注入!

[ 2012年8月14日 06:00 ]

<レスリング男子グレコローマン60キロ級3位決定戦>銅メダル獲得に歓喜の表情の松本隆太郎

 ヤクルトは21日の巨人戦(神宮)の始球式にロンドン五輪の男子レスリング、グレコローマン60キロ級で銅メダルを獲得した松本隆太郎(26)を起用することが13日、分かった。群馬ヤクルト販売に所属する松本からメダル獲得を条件に始球式を要望され、球団側が応えた形だ。2年連続クライマックスシリーズ(CS)進出を目指すチームにとって、銅メダリストの登場はこの上ないカンフル剤となる。

 決断は早かった。松本が銅メダルを獲得したのは6日。その2日後に球団で企画会議が行われ、始球式の起用が決まった。球団関係者は「松本さんは、五輪に行く前から“メダルを獲ったら神宮で始球式をさせてください”と近い関係者に話していたそうです」と説明。ロンドンに滞在していた松本にも朗報は届けられ、銅メダルを胸に14日に帰国する。

 松本が所属する群馬ヤクルト販売の関係者によると「(始球式決定に)本人は物凄く喜んでいました。選手との触れ合いも楽しみにしているそうです」という。銅メダリストにあやかりたい気持ちはヤクルトナインも強い。今季は開幕ダッシュに成功。1位を維持しながら5月5日には貯金を今季最多の9まで増やした。だが交流戦で10連敗を喫して急降下。現在は借金3の4位に低迷している。宮本ら主力に故障者が続出し、チーム状況も苦しい。そんな中で群馬ヤクルト販売からメダリストが生まれる明るい話題を提供してくれた。

 松本は同販売の広報室に所属。昨季は神宮を訪れ、応援に駆けつけた。群馬・千代田中時代はレスリング教室に通う一方、野球部にも所属し、8番・三塁でレギュラーだった。野村克也元監督の大ファンで愛社精神に満ちたヤクルトの申し子。同販売の関係者によると、当日は五輪で大きな話題を呼んだ虎が吠えたレスリングコスチュームで始球式を行うことを計画しているという。

 世界3位の猛者が愛するヤクルトの3位確保に一役買う。2年連続のCS進出に向け、ナインが松本に闘魂を注入されることは間違いなしだ。夏の終わりの神宮に、五輪の熱気がよみがえる。

 ◆松本 隆太郎(まつもと・りゅうたろう)1986年(昭61)1月16日、群馬県生まれの26歳。館林高、日体大を経て、現在は群馬ヤクルト販売に所属。10年世界選手権で銀メダル。広州アジア大会で銅メダル。09年から全日本選手権3連覇。弟の篤史(24)はフリー84キロ級で10年世界選手権に兄弟で出場。1メートル68。

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2012年8月14日のニュース