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村田 日本勢48年ぶり金!引退乗り越え世界の頂点に

[ 2012年8月12日 06:21 ]

男子ミドル級決勝 ブラジルのファルカンを破って金メダルを獲得し、喜ぶ村田諒太

ロンドン五輪ボクシング

(8月11日)
 男子ミドル級(75キロ以下)決勝で村田諒太(26=東洋大職)はエスキバ・ファルカン(22=ブラジル)に14―13で判定勝ちし、金メダルを獲得した。日本選手では64年東京五輪バンタム級で金メダルを獲得した桜井孝雄以来、48年ぶり2人目の偉業となった。

 集大成の戦いに、村田はいつものようにガードを固めて前に出た。右フックでファルカンの首をねじまげた。リードの左ボディーで腰も折った。第1ラウンドで5-3とリードを奪った。

 上々の滑り出し。ファルカンとは昨年10月の世界選手権で対戦し、2度のダウンを奪う内容で快勝。相性のいい相手だった。

 第2ラウンドも村田は得意のボディーから日本人離れしたパワフルな右を相手顔面に打ち込む。だが、鼻血を流す場面もあった。

 村田の1ポイントリードで迎えた最終第3ラウンド。ファルカンがホールドで2ポイントの減点をとられた。捨て身の攻撃に出た相手に防戦一方になりながらも村田は最後に右ストレートをクリーンヒットさせた。

 顔面を腫らし戦い抜いた村田の名前がコールされると、村田は信じられないような表情でゆっくりと両手を挙げた。

 屈指の強豪・南京都高では高校5冠(選抜・インターハイ・国体)を達成。全日本優勝5度など計13冠。北京五輪の出場権を逃がし一度、引退。09年に復帰すると東洋大職員として働きながらアマの頂点にこだわった。そして初出場の五輪でつかんだ金メダル。挫折を乗り越えた分だけ、その輝きはまぶしかった。

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