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村上、自己ベスト遠く予選落ち 状態は万全に程遠く…

[ 2012年8月10日 06:00 ]

男子やり投げで予選落ちし悔しそうな表情を見せる村上

ロンドン五輪陸上

 あふれそうになる涙を必死でこらえていた。日本選手団の主将・村上幸史(32=スズキ浜松AC)が、77メートル80でまさかの予選落ち。自己ベストの83メートル95に遠く及ばず、09年世界選手権銅メダリストの意地を見せられなかった。日本選手団主将は5大会連続でメダルなし。「(主将でも)自分の競技をするだけと思っていた。ふう。応援してくれた人と一緒に笑いたかったんですけど本当に申し訳ない」と肩を落とした。

 自らの感覚と距離のズレを埋められなかった。80メートルを超えた確信があった1投目が、76メートル37止まり。「思ったより記録が伸びなくて、“なんでだろう”という疑問が生まれた」。修正できずに2、3投目も記録を伸ばせない。今季は春先に右太腿裏の肉離れを発症し、6月の日本選手権では右肘を痛めた。村上は「体は問題なかった」と言い訳は一切しなかったが、「(右肘は)内出血の状態」と関係者。状態は万全には程遠かった。

 16年リオデジャネイロ五輪への気持ちは、今はない。だが、「機会があればこれからもチャレンジしていきたい」とも言った。夢舞台の屈辱を糧にフィールドに帰ってきた時、村上は一回り成長しているはずだ。

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2012年8月10日のニュース