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吉田 圧巻の3連覇!“人類最強”カレリンに並んだ!

[ 2012年8月10日 03:15 ]

女子55キロ級で優勝、父栄勝コーチ(上)を肩車し、栄和人監督(左)とともに喜ぶ吉田沙保里

ロンドン五輪レスリング

 世界女王、3連覇達成!女子のフリースタイル55キロ級決勝で吉田沙保里(29=ALSOK)はトーニャ・バービック(カナダ)に2―0で勝利。アテネ、北京の両五輪に続く金メダルを獲得し、五輪3連覇を達成した。日本女子選手では63キロ級の伊調馨(28=ALSOK)に次ぐ2人目の快挙となった。

 第1ピリオド1分40秒に相手の左足をとり、尻をつかせて3点先取。このピリオドをとって王手をかけた。

 第2ピリオドも攻めの手を緩めず。1分33秒にはタックルから相手を場外に押し出し、1ポイント。さらにこのプレーに相手が再審判のチャレンジをし、認められなかったため吉田に1点が加点され2点。このまま試合終了のホイッスルが鳴り、歓喜の瞬間が訪れた。

 バービックとは昨年9月の世界選手権決勝でも対戦。接戦の末に勝利したが「負けるかと思ったし、怖かった」と、試合後は敗戦への恐怖から涙を流した。この一戦で「研究されている」と感じた世界女王は、間合いを詰める近距離スタイルに変更。これが原因で自分を見失い、不振に陥った。女子代表の栄和人監督が「あれだけ悩んだのは吉田のレスリング人生で初めてだろう」と話すほど、長く暗いトンネルに入っていった。

 「全部を出し切って最高の笑顔で終われればいい」。ロンドン入りする前、吹っ切れた表情で吉田が話した。開会式では、日本選手団の代表として騎手を務め、大役を果たした。栄和人監督(52)に加え、五輪では初めて、元レスリング選手の父の栄勝コーチ(60)がセコンドに入り、親子で戦った。

 初戦、3回戦ともに勝って当然という表情。準決勝は、今年5月に58連勝を止められたワレリア・ジョロボワ(ロシア)に雪辱を果たし、ようやくガッツポーズ。そして、金メダルを獲って約束通り父を肩車し、最高の笑顔を見せた。

 また、吉田はこれで3度の五輪と、02、03、05~11年世界選手権の優勝を飾り、“人類最強”と呼ばれたアレクサンダー・カレリン(ロシア)と並ぶ五輪、世界選手権12連覇を記録した。

 ▽吉田沙保里の父・栄勝コーチの話 最高です。最初はどうしても硬くなっていた。決勝は最後の試合だと思って、悔いのないように思いっきりやれと言った。(3連覇は)ぴんとこない。五輪に勝つだけでもすごいのに。3連覇は本当にすごい。

 ▽栄和人監督の話 正直、この五輪は難しいと思っていた。(吉田)沙保里もトンネルを抜けきらない感じだった。いろんな人に支えられた。まだ力を残している感じで、最後に爆発してくれた。(3連覇は)今でも信じられない。

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