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沢“有終”ゴール宣言!「最高の集大成にしたい」

[ 2012年8月9日 06:00 ]

笑顔で練習場に入る(左から)岩清水、丸山、沢、阪口

ロンドン五輪 サッカー女子決勝 米国―日本

(8月9日 ロンドン)
 米国戦20試合目を有終ゴールで飾る。9日(日本時間10日午前3時45分)に金メダルを懸けて米国と対戦するなでしこジャパンは8日、ロンドン市内で非公開で最終調整。最後の五輪となる可能性を示唆しているMF沢穂希(33=INAC神戸)はライバルとの節目の試合でのゴールを宣言した。米国代表のFWアビー・ワンバック(32)との最後のガチンコ対決では、W杯と翌年の五輪連覇という史上初の快挙で決着をつける。

 五輪最後の練習も、日本の未来を示すかのように晴天に恵まれた。スポットライトのように日差しが当たった沢の表情も底抜けに明るい。最後に巡ってきた米国との大一番。最高のシナリオに気持ちは高まるばかりだ。

 「最高の夏にして最高の集大成にしたい」

 今大会は無得点だが「そろそろ得点に絡む仕事をしたい」と米国戦の出場20試合目で初得点を決める野望も抱いている。

 五輪代表が発表された7月、「年齢的に最後の五輪になるかもしれない」とラスト五輪の可能性を示唆しており、大一番は盟友とのガチンコ対決になる。米国のエース、ワンバックとは04年にアテネ五輪で代表として初対戦。「凄く大きくて迫力があった」と鮮明な印象として残っている。09、10年の米女子プロサッカー(WPS)のワシントン時代には同僚にもなり特別な存在になった。

 そんなライバル関係が五輪後に変わる可能性が出てきた。ワンバックが所属するWPSは法的問題が発生して休止。来年再開予定ながらメドは立っておらず、米国のエースには沢の所属するINAC神戸などからオファーが届いている。

 沢にとっても新たなモチベーションになるワンバック加入。この日の練習前には宿舎内で再会し「凄い楽しみだね」と互いに言い合ったという。ただ、その前に決着はつけたい。W杯では沢の延長後半12分のゴールでPK戦に突入。初の頂点に導いただけに、リベンジに燃える米国との決戦が厳しいのは百も承知だ。

 「ここまで来たら一番いい色のメダルが欲しい」。決勝戦のチケットは女子サッカーで五輪史上最高となる8万3000枚が売れている。舞台は整った。近い将来チームメートになるかもしれないライバルを倒し、再び世界の頂点に立つ。

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