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愛 故郷・仙台の“思い”胸に戦った

[ 2012年8月8日 06:00 ]

仙台市内で開かれた卓球女子団体決勝のパブリックビューイングで、日本チームの敗戦に残念そうな表情の市民ら

ロンドン五輪卓球女子団体決勝

 「メダルを持ち帰ってみんなに喜んでもらいたい」。福原のロンドン五輪は、東日本大震災で被害を受けた故郷の仙台市に向けての熱いエールでもあった。

 震災時は中国で合宿中で、テレビで見る惨状に涙が止まらなかったという。宮城県石巻市に住む親戚の家も1階が浸水。帰国後には避難所を訪れたり支援物資を送るなど、被災地のために動きだした。物資の入った段ボールには「一歩ずつ前へ」と自筆のメッセージを添えた。

 そんな福原に、心のこもった返礼が届いたのは今年5月。仙台市若林区の市立東六郷小の児童が、慰問のお礼に応援歌をつくった。「BELIEVE(ビリーブ)」の替え歌で、「日本中の希望のせて オリンピック 金メダル」「愛ビリーブイン愛ちゃん 信じてる」などの歌詞を、全校生徒36人で歌ってDVDに収録。金色の手形を押した横断幕や寄せ書きとともに届けられた。

 昨年5月の世界選手権複合ダブルスで銅メダルを獲り、メダルを持って慰問した福原は、卓球台とラケットを寄贈し、打ち方、遊び方も教えた。市立東六郷小は津波で校舎が被害を受け、近くの六郷中に移転。ミニ卓球台は子供たちの貴重な遊び道具になった。今回、ロンドンにDVDを持参している福原には、大きな励みになったのは間違いない。愛ちゃんからパワーをもらった被災者とともに、みんなの思いが詰まったメダルだった。

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2012年8月8日のニュース