×

「俳句甲子園」出場の厚木東 先輩・大儀見に俳句でエール

[ 2012年8月8日 06:00 ]

 「なでしこジャパン」FW大儀見優季(25)の母校、神奈川県立厚木東高校にも頂点を目指す後輩がいる。8月18、19日に愛媛県松山市で開催される「俳句甲子園」に出場する生徒10人。昨年3位に入り、今大会は初Vを狙う。五輪で2戦連続ゴールを決めた先輩に「私たちも続きたい!」。「4―4―2」の必勝フォーメーションで金メダルへ挑む先輩に「五七五」でエールを送った。

 今年で15回目となる俳句甲子園で、厚木東高校は5年連続出場。昨年は団体戦で36チーム中3位に入り、個人最優秀賞も獲得。今大会は団体戦で悲願の初優勝を狙う。

 俳句部は存在せず、出場する10人は、いずれも自主参加。大会まであと約2週間。勉強や部活の合間を縫い、国語の井上宰子(すずこ)教諭の指導で腕を磨いている。

 なでしこが決勝進出を決めた数時間後、本来の部活動で合宿中の1人を除く9人が、深夜のテレビ観戦で眠い目をこすりながら登校。「本当に凄い!」「私たちも負けずに頑張ろう」と、先輩・大儀見の雄姿に力をもらった。

 大会は5人ずつのチームで臨む。女子ばかりの“なでしこ”Aチームでキャプテンを務める3年の高橋里波(りな)さん(18)は3年連続出場のエース。“厚木東高校の沢穂希”ともいうべき支柱でありながら、言葉の使い方を熟知した作風で大儀見ばりのポイントゲッターでもある。

 高橋さんは「準決勝で足を痛めても立ち上がり続ける大儀見さんの姿から、チームのために個人が尽くす大切さを感じました」という。俳句甲子園は、事前に提示されたお題をもとに句を練り上げ本番に臨む方式で、よりよい作品を作り上げるにはチームワークが不可欠。「私たちも、和を強めて昨年より少しでも上を目指したい」。

 大儀見の活躍を見ての一句を頼むと「撫子(なでしこ)や メダルへのパス 繋(つな)ぎをり」としたためた。「先制ゴールを見て、仲間を信じているというのが伝わってきた」といい、チームの強い絆を「パス」という言葉に込めた。

 昨年は初出場で「何が何だか分からなかった」という3年生の園田葉(よう)さん(17)は川澄奈穂美ばりの急成長でAチームの主力に。なでしこの勢いを表現した「最高の 結末(フィナーレ)へ向け 日の盛り」との一句を贈った。9人は「大儀見さんの活躍に少しでも近づけるように、チームワークで優勝を目指したい」と五輪との“ダブル金”へ気勢を上げた。

 【全国各地で感動】

 ▼神奈川県大和市 川澄の出身地。市の観戦会に約300人が集まった。地元クラブで川澄を指導した加藤貞行さん(65)は「本当によくやってくれた」。試合前に川澄から「絶対勝つぞ」とメールが届いたという。

 ▼神戸市 代表に7人を送り込むINAC神戸の本拠地。中央区のスポーツバーでは、大儀見が先制点を決めるとサポーターが「大儀見コール」で喜びを爆発。同市の女性会社員(24)は「INAC所属じゃないけど福元選手が一番凄かった」。

 ▼岩手県滝沢村 岩清水の出身地。公民館で大型テレビを前に住民ら約70人が声援。岩清水の祖母絹子さん(78)は「“踏ん張って”と祈りながら見た。梓(岩清水)には“お疲れさま、あと1回頑張って”と言いたい」。

続きを表示

2012年8月8日のニュース