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ノリさん、決勝へ笑顔「たまには監督も信じて…」

[ 2012年8月8日 06:00 ]

<フランス・日本>試合前、ハンカチを目に当てる佐々木監督

ロンドン五輪サッカー女子準決勝 日本2―1フランス

(8月6日 ロンドン)
 険しい表情だった佐々木監督が最後に笑った。「勝とうという思いがなでしこジャパンにはあった。きょうの勝利は本当に感無量」。メダル獲得の味をかみしめた。

 試合前は東日本大震災の被災地の映像、W杯準々決勝ドイツ戦など接戦をものにしてきた映像を集めたイメージビデオを選手に見せた。ゲキは宮間に任せた。「この素晴らしいメンバーとウェンブリー競技場に立てて凄くうれしい」という主将の言葉にもらい泣き。「女の涙に付き合うというか自然と涙が出るようになったよ」と照れた。

 選手村ではミーティング会場が確保できないため自室のリビングを開放。「あの子たちは全体ミーティングの前にもよく集まる。自分がいたら悪いかなと思ってしょっちゅう散歩してるよ」。選手間のコミュニケーション促進に一役買った。

 指導の原点は帝京高時代にある。3年時に主将を務め古沼貞雄監督から練習メニュー、戦術面の指揮を任された。勉強するため図書館に通い、68年メキシコ五輪で銅メダルを獲得したチームの基礎をつくったドイツ人指揮官クラマー氏の著書を暗記するほど読んだ。同氏が育てたチームを上回る銀メダル以上が確定した。決勝に向け「闘志を持って自分、仲間、そして、たまには監督の力も信じて戦ってくれと(選手に)言いたい」と笑った。

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